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正解を教わる学びから、自ら問いを深める学びへ!聖学院の「探究Day」

聖学院中学校・高等学校2026年度連載1回目メイン画像

聖学院中学校・高等学校(以下、聖学院)は、今年度より新たに「探究Day」がスタートしました。5月〜6月にかけて計3回実施され、生徒一人ひとりが自分なりの学び方を主体的に見つけることを目指しています。今回は、主に選択型プログラムについて、探究Dayの企画に携わった教育編集部の先生方にうかがいました。

「自ら問い、学びを深める」探究Dayが始動

探究Dayとは、1・2限に学年別プログラムを実施。校外学習の振り返りや進路探究、自己理解など、各学年の発達段階や状況に応じて必要なテーマを取り扱います。
3・4限目は、「探究活動」「ラボラトリー」「オフィスアワー」の3カテゴリーから選ぶ選択型プログラムです。

≪3つの学びのスタイル≫
  • 探究活動:探究したいテーマに沿った活動を自由かつ計画的に行う、自分の問いを深める場
  • ラボラトリー:24の講座から選択し、教員の専門性や社会に触れながら、新たな興味を発見する問いの入口
  • オフィスアワー:学ぶ内容や場所を生徒が当日の気分に合わせて選び、自分に合った学び方を試す場

参加前には、「なんとなく」「周りの影響」で選んでいないかを問い直し、生徒自身が納得して活動へ向かえるよう促します。学年ごとの足場づくりと、生徒が主体的に学びを深める時間の両方を大切にした構成です。

佐藤充恵先生

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・担当教科:理科
・教育編集部 部長

土屋遥一朗先生

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・担当教科:国語科
・教育編集部 副部長

伊藤航大先生

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・担当教科:社会科(主任)
・教育編集部

探究Dayの目的を教えてください。

佐藤先生 生徒一人ひとりが自分を知ることから始まり、発見した自分をアップデートしながら自分に合う学び方を選択できるようになることを目指しています。教員が生徒に正解を与えるのではなく、一緒に探究する点が探究Dayの大きな特徴です。

土屋先生 生徒が自由に選択すべき部分と、教員が導くべき部分の線引きを考えつつ、教育理念の「Only One for Others」をカリキュラムに落とし込むことも目的の一つです。探究Dayを通して「聖学院とは何か」を体現できればと考えています。

探究Dayにはどのような想いが込められていますか。

佐藤先生 生徒の「やってみたい」という気持ちに対して、教員が「こうしたらもっと面白くなるんじゃない?」「こういう視点を加えると、新しい意味が生まれるかもしれないね」と伴走できる存在でありたいと考えています。
知識や技能を教えることは学校の大きな役割です。一方で、正解に照らして直す「添削」だけでなく、生徒が何に心を動かされ、どこへ向かうのかを共に考える「指南」も大切にしています。探究Dayには、そのような願いも込められています。

伊藤先生 探究Dayは理想の教育を実現する方法を試す場にしたいと考えました。教育編集部が中心となって企画しましたが、他の教員にも「生徒に最大の学びを提案する方法を主体的に考えてほしい」と伝え、学校全体で探究Dayを形にしてきました。

24の講座から、自分の興味で選ぶ学び

ラボラトリーには、生成AI×3Dプリンター、企業訪問、東大数学を題材にした確率探究など、多様な24講座が並びました。

レゴブロックを使って自分の考えを表現する生徒たち
「レゴ®シリアスプレイ®で問う—自分の価値観で、共同体の問題に向き合う」。NASAやGoogleでも導入されているメソッドを用い、手を動かしながら自分の考えや価値観を形にした
黒板に投影されたプロジェクター画面で「AIへのプロンプト」のコツを解説し、プレゼンを行う生徒
「3Dプリンター×生成AI ものづくりワークショップ」。最新の生成AIを使ったヒアリングや3Dモデリングを通して、誰かの悩みを解決するアイデアを形にしていった
音楽室で楽譜を手に合唱練習をする生徒たち
「NHK合唱コンクールの課題曲にチャレンジ!」。楽譜を手に仲間と声を合わせる生徒たち。言葉の意味を考えながら、歌声にのせて表現する面白さを体感
オリジナルTシャツ制作でシルクスクリーン印刷に取り組む生徒
「オリジナルTシャツづくり」。シルクスクリーン印刷を体験し、世界に一つだけのオリジナルTシャツを制作。手を動かす中で、ものづくりの面白さを味わった
ハンダごてを使って小型基板に電子部品を接着している生徒
「オリジナルキーボードづくり」。マイコンの仕組みを学び、はんだ付けやプログラミングを経て、自分だけのキーボードづくりに挑戦
人工芝のグラウンドで、フライングディスク(フリスビー)を手に講師から投げ方の指導を受ける生徒
「アルティメットを楽しもう」。元日本代表の指導のもと、風の強さや向きを読みながらディスクを操作するスポーツ体験に取り組んだ

ラボラトリーの講座は、どのように企画されたのでしょうか。

佐藤先生 各教科にラボの企画を依頼しました。内容に関しては教員にお任せで、担当教科以外のテーマも可能です。聖学院は外部のつながりを多く持っているので、そのリソースを活用し、ゲストを呼んで生徒たちに学びを展開する企画もありました。

土屋先生 好きなことを教えられるということで、どの先生も楽しんでいましたね。ある国語科の先生は歴史が好きなことから、北区周辺の史跡を巡りながら歴史について語るラボを企画していました。自身の探究の面白さを生徒にも伝えたいという気持ちや、遊び心を持つ教員が聖学院にはたくさんいます。

伊藤先生 教員自身が学びを楽しんでいる姿を見せることは非常に大切です。学校の勉強に対して受け身になりがちな生徒もいるからこそ、ラボラトリーを通して先生と生徒が一緒に楽しめる時間を多く作っていきたいという想いがありました。

両国駅の構内で、壁に掲げられた歴代横綱の大きな肖像画を見上げる生徒たち
「二百年前の私たち」。東京に残る史跡を巡り、過去の文化や価値観に触れるフィールドワーク。歴史を通して、現代の自分たちの価値観を見つめ直した
葛西臨海公園から海を眺めている生徒たちの後ろ姿
「Skholé(スコーレ): 何をするかを自分たちで決めていい場所 」。「どこかの果てに行きたい」「非日常感や自然を味わいたい」という生徒たちの思いから、行き先を葛西臨海公園に決定。自分たちで活動を組み立てていった
教室での講義の様子。採集した草を眺める生徒
「観察 to 想像 -「草モン」ハンティング!-」。学校周辺の植物を採集・観察し、そこから自由に想像を広げる活動。身近な自然を、いつもとは違う視点で見つめた
教室でパソコンを操作しながら、写真データに含まれる位置情報や地図情報を解析している様子
「写真からわかる個人情報~ジオロケーション入門~」。写真に残る手がかりから撮影場所を読み解くジオロケーションを体験。個人情報を守る視点も学んだ
「古代オリエント博物館」にて、笑顔で集合写真を撮る生徒たち
「古代オリエントの謎に迫る」。古代オリエント博物館を訪れ、文明や歴史、旧約聖書との関係に触れながら、古代世界への理解を深めた
屋外で日帰りツアーの企画に取り組む生徒たち
「魅力的な日帰りツアーを作成しよう!」。身近な地域や遺跡を題材に、見学や調査を通して魅力的なツアーづくりに挑戦。地域の魅力を人に伝える視点を磨いた

問いを立て、表現する経験が生徒の成長につながる

当日の生徒たちの様子で印象に残っている場面があれば教えてください。

土屋先生 「実は探究することが定まっておらず、とりあえず来てみました」という生徒が、探究活動の1日目を終えて振り返りを行うと、自分なりの探究の道筋を見出していたことに面白さを感じました。

伊藤先生 何かを深めたいと探究活動を選択したものの、テーマを決めかねている生徒に、「普段の生活のなかでモヤモヤするものや、不思議に思っているものはないか」と声をかけるだけで、自ら調べて進められるようになった姿が印象的でした。

調理室でエプロンやバンダナを装着し、りんご飴づくりに取り組む生徒たち
「りんご飴を作りたい」という身近な関心からスタートした探究活動。失敗を繰り返す中で、飴の硬度、材質、温度管理などに目を向け、問いを深めていった
テーブルで手作りカレーを盛り付ける生徒。テーブル上のタブレット画面には「先生方でカレーを試食してくださる先生募集しています」
「美味しいものを追求したい」という純粋な動機から始まったカレーの探究。先生方を巻き込んだ試食調査やフィードバックの収集まで、生徒が自ら企画・実行

探究Dayを通して、生徒たちにどのような変化や成長が見られましたか。

土屋先生 自分たちで学びを作り上げた経験から、生徒は「全てを自由に決めることは案外難しい」という学びを得られたと思います。その環境で主体性を発揮できるようになった生徒や、ラボラトリーの途中で自分の求める学び方ではないと気づきオフィスアワーに変更した生徒もいて、どちらも成長だと感じています。

伊藤先生 学校外や学年をまたぐという拡張した学びの場を設けたことで、生徒たちの枠が取り払われたような感覚があります。与えられるのではなく、自らの体験や知識を得る経験の大切さに気づいたのではないでしょうか。

探究Dayの生徒たちの報告書
探究Dayの3日間、生徒たちは自分の活動を記録

最後にメッセージをお願いします。

佐藤先生 聖学院はやりたいことや好きなことがある子はもちろん、それがまだ見つかっていない子も支えられる学校を目指しています。自分を知り、自分に合った学び方を理解するための環境を、これからも設計していきたいと思っています。

伊藤先生 私たちは「あなたが何者であるか」を問うことを大切にしており、その手段として普段の授業や探究があります。生徒が自分を形作る過程を、本気でサポートするのが聖学院です。

土屋先生 聖学院は、生徒一人ひとりが「自分をどのように発見し、表現していくのか」を考え、それをあらゆる学びの場面と結び付ける学校です。相手を否定せず、挑戦したいことに対しては「どうしたらできるか考えよう」から始まる風土が本校にはあります。そのような環境を本気で求めている人には、ぜひ一度聖学院に来ていただきたいと思います。

編集後記

探究Dayで「どのように学ぶか」を学ぶことで、「自ら問いを立て、他者と協働しながら学び続ける力」が身に付きます。先生方は探究Dayを日常に組み込むことを目標にしているとのことで、今後の企画も楽しみです。

イベント情報

イベント名 形式 日時
学校説明会・体験会 来校型 2026年9月19日(土)
校内見学会 来校型 2026年10月3日(土)
帰国生対象入試説明会 オンライン 2026年10月17日(土)
学校説明会・体験会 来校型 2026年10月24日(土)
高校受験対象学校説明会 オンライン 2026年10月24日(土)

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