高田竜太朗先生

国語科の主任
「生徒のリアクションや成果物を見ると、教師としてインスピレーションを受けることがたくさんあります」
小幡芽里先生

高校1年生学年主で理科を担当
「女子美生の並外れた感性と観察眼にいつも驚かされます」
「美術系の生徒って、こんなに面白い」先生が感じた女子美生の印象
女子美の生徒を教えて、驚いたことや印象的だったことはありますか?
高田先生 女子美では表現を嫌がる生徒はほとんどいません。作品がその人となりを表すと理解しているので、創作物に対してリスペクトが生まれます。彼女たちの創作意欲への安心感が、むしろ教員を引っ張っている感覚があり、つい課題学習でユニークなことをやってみたくなってしまいます。
小幡先生 知的好奇心の弾け方が違いますよね。理科で「光」の学習をした直後、教室の床の光が小さな虹を描いているのを見つけると、「先生、見て! 虹ができている!」とたちまち探究タイムが始まります。「慣性の法則」を学んだ日には放課後の通学路まで実験室にしてしまいます。知識を日常の風景にカチッと当てはめて、五感で面白がることができる生徒たちです。
ノートや提出物にも女子美生らしさは出ますか?
高田先生 出ていますね。授業で夏目漱石「夢十夜」の百合の花の図をホワイトボードに描いたら、「先生! 百合の花びらは6枚です(花片、ガク片合わせて)」とすかさず指摘されてしまいました。美術で花を描いているので、よく見ているんですよね。
小幡先生 化学でも、教員の説明を自分なりにイラストや漫画に置き換えてノートにメモをしている生徒が多いです。分子の動きを直感的なビジュアルに変換して理解しようとする、まさに美術を学ぶ生徒ならではの姿勢です。

国語×化学、それぞれの授業づくりの工夫「女子美生の感性を引き出すために」
女子美生に合わせた授業の工夫を教えてください。
高田先生 創作活動への応答能力が非常に高いので、課題が型にはまらないよう演劇・翻訳・物語の執筆・パロディ制作などさまざまな形を取り入れています。一方で、文と文の接続関係を鍛えるワークや論理性を重視した精読、合意形成の練習なども大切にしています。家でできることはさせたくない思いもあって、身体性やライブ感の中でクリエイティビティが生まれる授業を意識しています。
小幡先生 生徒たちの「ものづくりへの熱意」と化学を結びつける工夫をしています。日本画の顔料(岩絵具)を合成する実験でイオン結合の仕組みを学んだり、マルセイユ石鹸づくりで酸とアルカリを学んだり。表現や工芸の世界に直結する内容は目の色を変えて取り組んでくれます。

生徒が特に没頭していた場面はありますか?
高田先生 小説の読解は特に楽しんで集中していますね。「山月記」の授業では、詩人を志した主人公・李徴の悩みに感情移入した生徒たちが、「どうすれば李徴が虎にならず救えただろう」と自発的に考え始めました。試しにパロディを作る宿題を出したところ漫画・映画・ゲーム・ダンス、果ては李徴をYouTuberにした作品まで、すさまじい数の創作物が生み出されました。
一般教科も発見の連続!発揮される女子美生の感性と観察眼
授業中に「この発想は面白い!」と感じたエピソードはありますか?
小幡先生 色彩への並外れた感性と観察眼にはいつも驚かされます。液体窒素で酸素を液化させる実験では、生徒が「あれ? これ、少し青い?」と即座に声を上げたんです。液体酸素のわずかな淡い青色を直感的に捉えていました。炎色反応でも「この色味ならあの元素のはず」と絵の具の混色を語るようにグラデーションを読み取り、深いディスカッションを展開していました。
理系科目への抵抗感がある生徒にはどのようなアプローチをとっていますか?
小幡先生 自分の得意な表現方法でアウトプットしてもらうアプローチをとっています。化学物質の性質をイラストに描き起こしたり、分子構造を立体模型として工作したりすることで、理系への抵抗感はいつの間にか楽しさへと変わっていきます。実験はもちろん、電気の力でパンを焼く「電気ぱん」は大人気で、教室中に香ばしい香りが漂う中、現象の不思議に目を輝かせています。
国語や化学の学びは、創作にも生きている。教科を越えたつながり
美術以外の教科での学びが、生徒の創作に影響していると感じることはありますか?
高田先生 以前、卒業制作でアニメーションを制作し入選した生徒がいました。国語の授業の考察からインスピレーションを受けたと言ってました。日々の授業が創作活動の種になっていると思い嬉しかったですね。昨年は生成AIで松尾芭蕉「おくのほそ道」の情景を描く授業を行いました。女子美の生徒は文章を読むと自分の中にはっきりと情景が固まる。だからAIが思い通りに出力してくれないと「何を誤認しているか」と分析してプロンプトを修正し始めます。本質的な美術の学びがあるからこそ成立する授業でした。


小幡先生 「玉ねぎ染め」を体験した生徒がテキスタイルで美しいドレスを制作したり、宝石の化学組成を調べてその結晶構造をモチーフにしたファッションデザインへ落とし込む生徒もいます。科学的な裏付けを取り入れることで、表現の幅やコンセプトの深さが広がっていると感じます。
最後に、受験を検討されているご家庭、生徒へメッセージをお願いします。
高田先生 多様性が重視される一方で、世界の均質化も進んでいる時代だからこそ「自分が何者であるのか」が大切になっています。女子美は個性をお互いに認め合い、表現し合い、ときにその衝突の中から新たな個性を発現させていく場所です。「美を求め、美に生きる」という姿勢は、今後の社会を生きていく上で大切な基盤になると考えています。
小幡先生 最近は「マッチを擦ったことがない」という生徒も少なくありません。だからこそ本校では、空を見上げ、季節を感じ、実際に手を動かす実体験を何よりも大切にしています。美術と科学が心地よく融合する女子美で、五感をフルに使い、世界を美しく、そして深く紐解く楽しさをぜひ一緒に体験してほしいと思います。
編集後記
今回のインタビューを通して、美術と一般教科が互いに刺激し合い、創作へとつながっていく女子美ならではの学びの豊かさを実感しました。一人ひとりの感性を育む環境こそが、女子美の大きな魅力なのだと感じます。
イベント紹介
| イベント名 | 日時 | 備考 |
|---|---|---|
| 中学校説明会 | 9月6日(日)、9月13日(日)午前 | 学校の特色・美術教育の内容・入試概要・校舎見学(要予約) |
| 公開授業 | 9月26日(土)①8:35〜②10:45〜(入替制) | 中高共通。美術、美術以外の教科も公開(要予約) |
| 女子美祭 | 10月24日(土)、25(日) | 在学生全員の作品1000点以上を展示・ミニ進学説明会あり(要予約) |














