探究テーマは「日本の単館系映画館の存続・繁栄のために」
高校1年次に「日本の単館系映画館の存続・繁栄のために」という探究を実施した岩下みやさんに話をうかがいました。

「日本の単館系映画館の存続・繁栄のために」という探究をしようと思ったきっかけを教えてください。
岩下さん もともと映画が好きだったのですが、日本の映画や映画館についていろいろと調べてみると、独自に作品を選ぶ小規模な単館系映画館が苦境に立たされている現実を知りました。それならば、どうしたらその状況を解決できるのかという点に強い興味が湧き、日本の単館系映画館の研究を進めようと決めました。
研究はどのように行ったのですか。
岩下さん 福岡県北九州市にあり、80年近い歴史を持つ小倉昭和館という単館系映画館や、野外映画祭を行っている「すみだパークシネマフェスティバル」の主催者の方にインタビューをしました。最初は「日本の単館系映画館は衰退していってしまう」という結論になるのかなと考えていたのですが、取材を通して単館系映画館には独自の良さがあり、存続や繁栄の可能性はまだ残されていると感じました。
単館系映画館が今後も続くための課題とは?
岩下さん 探究の過程では安田学園の生徒とその保護者の方々にアンケートも取ったのですが、そもそも単館系映画館の存在を認知していない人が多い、という事実が分かりました。ただ、過去にミニシアター文化が盛んだった時代もありますし、単館系映画館の独自性が広く伝われば存続の可能性は十分にあると思いました。高校生を含む若者はいわば「見込み客」で、フェス型イベントなども通じて若い世代を取り込むことが不可欠だという考えに至りました。
この探究は2026年2月に開催された「第11回高校生国際シンポジウム」の「ポスター部門社会課題・ビジネス分野」で最終選考まで残りましたね。
岩下さん プレゼン用ポスターを作る際には、日本地図やグラフを使い「単館系映画館を初めて知る人にも分かりやすく」という点を意識しました。どうやったら伝わるか、その点については探究科主任の藤﨑先生のアドバイスがとても役に立ちました。

週1回の探究の授業でフィードバックをもらっていたそうですね。
岩下さん はい。先生が伴走してくださった探究が最終選考まで残ったのはうれしかったのですが、受賞には至りませんでした。その原因として「なぜ日本の単館系映画館を存続・繁栄させる必要があるのか」という根本的な視点が欠けていたと感じています。
それはテーマの軸が定まっていなかったということですか。
岩下さん あとから振り返ると、文化は人間の豊かさを象徴する要素の一つであり、それがなくなるよりは残していったほうがいい。単館系映画館だからこそ発信できる文化があり、それが誰かの人生を豊かにすると考えれば、やはり多くの単館系映画館が残っていったほうがいいと思いました。
単館系映画館の研究はこれからも続けていきますか。
岩下さん 大学に進学したら、単館系映画館に限らず、日本映画、ひいては日本文化についても学びたいです。
ゼミ探究は大学入試の学校推薦型選抜や総合型選抜にも生きる
安田学園の探究プログラムについて、探究科主任の藤﨑貴斗先生にも話を聞きました。

探究プログラムに力を入れている理由を教えてください。
藤﨑先生 「観察→疑問→仮説→検証→考察」の方法によって根拠をもって論理的に物事を見る力をつけてほしいと考えています。高校1、2年生はゼミ探究に取り組みます。
どんなテーマに取り組んでいるのでしょう。
藤﨑先生 岩下さんと同じ学年だと、日本画に出てくる擬人化表現に何か象徴的な意味合いがあるのかに注目したり、銭湯文化を考察したり、素朴な疑問から始まった研究が多いですね。過去には口の中のバクテリアについて研究した生徒や、蜂の研究をした生徒がいました。
「これが知りたい!」という純粋な気持ちが軸にあるということですね。
藤﨑先生 そうですね。何かを知ること自体が楽しいとかうれしいとか、そういった経験は誰かに与えられるよりも自分でつかみ取ったときのほうが喜びとしては大きいと思っています。何か一つ疑問を持って、そこを深掘りしていく強い姿勢がほかの教科を学ぶ際のモチベーションにもつながってくれるといいなという願いはあります。
ゼミ探究は大学入試の学校推薦型選抜や総合型選抜にも生きますね。
藤﨑先生 おっしゃるとおりで、実際、ゼミ探究の実績もアピールして筑波大学や慶應義塾大学に合格した卒業生がいます。
ペアワークやグループワークを通して自分の意見が言えるように
探究プログラムに限らない安田学園の魅力をうかがいました。

よく利用する施設やお気に入りの施設はありますか。
岩下さん 施設では図書館が気に入っています。探究活動を進める上でも活用しました。
藤﨑先生 図書館には約7万冊の蔵書があります。そこにある本を探究で使う生徒は多いですね。
授業や校風はいかがでしょう。
岩下さん
授業では自分で考える時間が多いので、頭で考えていることを言葉にして人に伝える言語化能力が身についている実感があります。
私は今、文化祭実行委員長を務めているのですが、学校行事の運営など、先生が生徒を信頼してくれている校風も好きです。「こういうことをやりたいんです」と言うと、基本的には受け入れてくれますし、勉強で分からない部分があれば質問しやすい距離感があります。
藤﨑先生
授業ではペアワークやグループワークを積極的に取り入れていますので、学年が上がるにつれてしっかりと自分の意見が言えるようになります。
本校では学校生活の主役は生徒たちだと考えています。岩下さんが言うとおり、「こういうことをやりたい」と思っていることを実現できる可能性が高いことが安田学園ならではの特徴といえるでしょう。
編集後記
自分の「知りたい!」を追究できる探究プログラムは、自ら学ぶ姿勢を育むもの。学校説明会に足を運び、「自学創造」の雰囲気をぜひ体験してください。
イベント情報
2026年9月の中学校説明会では、授業体験も行われる予定です。
| イベント名 | 開催日 | 備考 |
|---|---|---|
| 安田祭(文化祭) | 2026年9月5日(土)、6日(日) | 来校予約が必要となります。 |
| 第4回 中学校説明会 | 2026年9月12日(土) | 説明会の詳細は実施日の約6週間前までに発表されます。 |
| 第5回 中学校説明会 | 2026年9月26日(土) | |
| 第6回 中学校説明会 | 2026年10月10日(土) |













