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投稿者: 初手天元 (ID:iTQCbYqzDik) 投稿日時:2010年 11月 22日 08:36
しろくまさま
パート5が容量オーバー気味の様子ですので、新スレを立てさせて頂きます。
出しゃばり、どうかお許しください。
いつもお忙しい中、親身で適切なアドバイスを下さるしろくまさまに
心から感謝申し上げますと共に、今後とも
中学受験に悩む保護者達に御助力下さいますよう
よろしくお願い申し上げます。
相談者の方々に
このスレでの御相談に対するしろくまさまのアドバイスは
外部ブログに掲載されます。
不都合をお感じの方は、その旨明記くださいますよう。
イヌイットさま 外の人さま
とても控え目でいらっしゃいますが、しろくまスレをこっそり支える
善意の協力者でいらっしゃると思っております。
いつもありがとうございます。
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【2546935】 投稿者: しろくま (ID:gyQCNXHN1DA) 投稿日時:2012年 05月 19日 05:48
「雪月蘭」さま
4年生からのスタートですね。遅いスタートでも絶対なければ早すぎるスタートでもありません。動作が遅い、スローペース、というのも、なにも「悪い」ことではありません。
ここは何度も強調しますが、子どもにはそれぞれの性格があり、そのキャラクターに合わせた勉強の方法があるんですよ。
よその子は、ああいうことができる、うちの子はできない、だれだれちゃんは、こういうことをしている、うちの子もさせないと…
こういうことの積み重ねは、かならず子ども疲弊させ、お勉強の成長の阻害になります。
まず第1段階。塾とのおつきあいが始まったときの大前提は、「授業を楽しく受けられている」ということです。
塾に入って勉強が始まると、ついつい親はできたことはあたりまえで、できないことがたいへんなこと、と分類してしまいます。「とける」「わかる」「できる」という3つは実は一体であるとは限らず、これの一体が図られている状態が、その項目を本当にクリアしている、ということです。
わかっていなくてもとけるとき、あります。
わかっていてもできないとき、あります。
小4くらいですと、わかっていなくても、こういう問題はこういうようにすればとける、ということを習ってしまうもんですから、ついつい「考える」ことが抜けてしまう場合もあります。
ただ、前提として、「楽しく」勉強に接することができている、ということは大切です。
第2段階は「習慣化」です。点数が出てる、出てない、は、後まわし。2月に入塾されたら半年、いや、場合によっては年内いっぱいは、「何時になったら勉強する」、「学校行事」で疲れていても、最低何分は何かをする… 計算練習、漢字の書き取りも、本人が気分良く解ける量と速度と短い制限時間で、寝る前、あるいは朝起きたら、あるいは学校から帰ったらすぐ、など、しっかりとした「時間割」をつくるんですよ。
10日もすれば習慣化はできます。何時からは勉強するもんだ、何曜日はこれをするもんだ、ということが自然と身に付くようにしておく…
小4はこれができれば大成功。小5や小6になってから、格段の追い込みができる「体質」になります。
第3段階は「譲歩」です。遊びたい、何か予定外の行事が入る、家族で旅行もしたい…
そんなときは、「う~ん」とまずは考えてみせる。「そうねぇ… 小6になればそんなこともできないし、じゃあ、いっか」「小5になればそんなことも言うてられないし、ま、いっか」という言い方で本人に「譲歩」してやる、ということです。
予告しておく、ということですね。ああ、来年はこんなことできないんだ、6年になればこういうことをしなければならないんだ、ということが「自然な形」で子どもに伝えられます。
で、当然、次は、お勉強の中身の話になります。
子どもには色々なタイプがほんとうにあります。1時間1教科に集中できる場合、20分しか集中できない場合… でも、前者がすぐれていて後者がおとっているのではありません。
もちろん、入試は40分間、50分間、あるいは60分間はじっとしていなくてはなりません。そこでの時間のレイアウトは小6になってからでよいですので、いまは本人の力を出せる量と時間で勉強の枠組みをつくってやります。
漢字だって、六個くらい一回でやればよい、とか親は思いますが、べつに3個を違う時間帯で2回やってもよいわけです。
おっしゃるように、すべてを計画的に分割して、ひとつの「単位」を用意してやればよいんです。親がその作業をやってもかまいません。ただ、そのとき横で子どもがみている、という状況にしておいてください。イメージとしては、親子でいっしょにつくる、ですが、「これはこうするね」「これはこれだけでいこうよ」と提案、本人確認、という形で進めていきます。むろん、いや、これはこうしたい、と、本人がいえばそれでいきます。
しろくまが国語の講師だったから「教科をひいき」するわけではないのですが、国語は学年が下にいくほど、また小6などで苦手な意識が強いときほど、「ていねいに、時間をかけて」という家庭学習日をつくってほしいんですよね。
読解の部分を通じて、語彙を増やしていく、ということをしていきます。
1.「親音読・子黙読」
読みながら、難しい言葉や表現があれば、親が説明すればよいんです。で、ときどき、親もボケてやる。あれ、これはどういう意味かな… 本人が知っていると「それはさ、こういうことだよ、そんなの知らないの?」と言いますから、「へぇ~ そうか、よく知ってるね」みたいに時々、花を持たせてやる。
わからないときは、「じゃあ、いっしょに調べようか」と、目の前で辞書をめくってやる。このときも、本人に調べさせる、ということはしなくてよいのです。
調べたければ本人が手にとって調べるようになりますから、「煩わしい」作業を間に挟みすぎると子どもそれをいやがって疲れていきますからね。
2.説明文の場合は、指示語が出てくるたびに、何を指しているか確認する。
これも、本人に長く考えさせてはいけません。数秒間をとって、これはね、と、示してやってもかまいません。で、そこに線でもひいてやる。
3.物語文の場合は、気持ちをあらわしている言葉に、線をひきながら読みすすめていく。
これも親が線をひきながら読んでやればよいのです。物語文は、「事実・行動-気持ち」という構造で書かれています。「事実・行動」はすらすらと読む、「気持ち」の説明や主人公のセリフは、ややていねいにゆっくりと… 物語文も「韻文」です。リズムが確実にあって、国語が得意な子は、黙読していても、心の中でリズムをつけて読んでいます。
さて、小学生で、嬉々として勉強にのぞむ子って、そんなにいません。とくに家庭では。
どんなに成績がよくできる子でも、中学入試で合格した子でも、「勉強いや」と言う子、何人もいました。
いまは、勉強の習慣化に力がかかる時期です。それにさらに点数や順位のプレッシャーをかけたら、さらに勉強に向き合えません。
何時からスタートする、というところでは甘やかさない、ということくらいの部分でよいのです。
ただ、塾の先生には家庭での様子を伝え、とくに本人が好き、尊敬している、という講師から点数がよかった小テストに関して「がんばっているね」などの声かけをしてもらうなどの「根回し」はしてやってください。
親→講師→子ども ただし、親が背後で動いていることは秘密。こういう迂回路は有効です。
講師にたのめば、いくらでも「一芝居」うってくれます。お母さんの「独り相撲」はお避けくださいね。
何か追加質問があればどうぞ。
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【2546940】 投稿者: しろくま (ID:gyQCNXHN1DA) 投稿日時:2012年 05月 19日 06:21
「国語」さま
しろくまは「入試問題主義」です。実際の入試問題にもとづいて作成されている教材以外はあまりお薦めしない派なんですよね… つねに「入試問題」そのものをみる…
これはよい問題、これはわるい問題、と、軽々しくいう講師もいますが、よいものだろうがわるいものだろうが、実際に出ている入試問題は入試問題です。正直、しろくまもそう思うときもありますが、それでも、解き方、考え方を本人に伝えないと、問題を差別して「これはせんでもええねんっ」が口グセになる受験生をつくってしまいます。
なんどもしつこく強調しておきますが、過去問は「まだ」解かなくてももちろんかまいませんが、親が過去問にしっかり目を通しておく、ということはしてくださいね。素人でも、確実に「雰囲気」はつかめます。
さて、女の子は、理科で好き嫌い、得意不得意の疎密が出てきます。好きな分野はたくさんたっぷりやらせてやってくださいな。難問チャレンジもOKです。
そこで問題集なのですが、しろくまがいつもおすすめしているのは、英俊社から出ている
「近畿の中学入試問題」
です。「近・中」と省略して紹介しています。じつは入試問題からすべて抜粋してくれていてしろくまはたいへん好きです。むろん長所ばかりの問題集などありません。もっともっと詳しく解説をつけてくれたら、参考書なみに分厚い解説にしてくれたら、と思うのですが… 解説がやや薄口です。
このシリーズは三階立てになっていて
「近畿の中学入試問題」理科 小学5年内容
「近畿の中学入試問題」標準編 理科
「近畿の中学入試問題」発展編 理科
とあります。「小学5年内容」というように、入試問題だが小5で解けるものを選んでくれているすぐれものです。入試問題主義のしろくまは大好きです。
最初のほうにポイントが書かれた部分があって、ざっとそこを確認するだけでも、理科の基本をさささっとチェックしたい女の子には最適です。
これくらい知ってる~ というものでも、すっと流す、ということは大切ですからね。
また、標準編や発展編は、毎年最新年度の問題を入れ込んでくれるので、小5のうちに買っておくと、小6になってからさらに次の年度のものを購入すれば、演習素材も幅広くそろえます。
(関東の方にはとくにお薦めしました。関東からのご相談があったときには、塾で学習する関東の学校と過去問がかぶらないから入試問題の演習を家庭で増やしたいときにたいへん有効です。)
これ、関東版も英俊社さん、作ってくださいませんかね~ だったら近畿の方も過去問かぶりなく演習できるんですけれどね。
ちょっと話がそれました。ですから、「小学5年内容」のものを購入されたらよいと思います。ちなみに、「社会」のものは「地理分野」がまとめられています。
何か追加質問があればどうぞ。 -
【2547766】 投稿者: 国語 (ID:lur5mbyDxTw) 投稿日時:2012年 05月 20日 00:25
しろくま様
お忙しい中返信ありがとうございました!
問題集ひとつ選ぶこともできずご相談してすみませんでした。
大阪在住ですが早速ネットで近畿版小5用理科を注文してみました。
入試素材ということでどの分野も平均的に知識不足な娘にどれだけ解けるかわかりませんが
コツコツ確認しながら取り組んでみようと思います。
そして私が過去問に目を通すことですね。
どう対策していいかまで私に考え付くかどうかかなり心配ですが
まだ目を通した事がないのでとにかくやってみます。
昨日は塾で理科社会の授業がありましたので
しろくま様に伝授頂いた別ノートへのまとめをさせてみました。
私にも授業してもらい時々質問したりして
知識の曖昧さにも気づく事ができました。
明日は朝から親音読子黙読の予定です。
最後にもうひとつすみません。
小5の夏休みの過ごし方ですが、心構えと4科目通して抑えるべき点があれば教えて頂けると嬉しいです。 -
【2547767】 投稿者: 国語 (ID:lur5mbyDxTw) 投稿日時:2012年 05月 20日 00:27
「抑えるべき点」→「押さえるべき点」でした。
すみません。 -
-
【2547891】 投稿者: しろくま (ID:1fReABzUs7A) 投稿日時:2012年 05月 20日 07:58
「中学受験」さま
いやいや、何度も申し上げておりますが、受験のお悩みにレベルが高い、低いはありません。お勉強の形、成績、志望校、家庭のようす、受験に対する考え方… あたりまえですが、これはみんな人によって違います。
それに、色々なお悩みを解消したい、というのは誰とてあたりまえ。ましてわが子のことをなんとかしてやりたい、と、思わぬ母はおりますまい。何もおおげさに思われず、「大変迷う」ようなことでもありません。
どうか気楽にお声かけくださいな。
偏差値30台、とくに子どもは塾を嫌っているでもなく、勉強しないわけでもない… でも、成績や結果をともなわない… 総くずれ状態…
他の方にも申しましたように、「とける」「わかる」「できる」は違うのです。
ひとつひとつ、あせらず、総点検して参りましょう。「総くずれ少年」になっちゃっていると、お母さんとしてはものすごくショックを受ける方もおられますが、「総」ということは、原因は
「ひろくうすく」
なんです。だから、何が悪いかかえってみえにくい。薄くても、広い範囲に細かく色々な点でひっかかりがあると、なかなか原因がみえないんです。
むしろ、何かの教科だけができない、何かの分野だけがわからない、というほうが「せまくふかく」でたいへんなんですよね。
総点検ですから、ざっとみてまいります。すべてをそうせよ、というわけではありません。該当している部分をちょっとずつ、本人にも確認して、お母さんも確認してみてくださいな。読めばわかりますが、どれもそんなに深刻なポイントでないことがわかりますが、「ひろくうすく」の原因調査だと思ってください。
(1)「場」の確認
お勉強する場所は、どうなっておられますか? 部屋のようすです。
① 整理整頓しましょう。キッチリすぎる必要はありません。本棚など乱雑にいろいろ入れるのではなく、項目別に整理する。
机の上はどうですか? 参考書や本とか山積みになっていませんか? 床はどうでしょう。とくに勉強の本も遊びの雑誌やマンガなどがいっしょになっていませんか?
気持ちも姿勢も、そういうところに出てきます。けじめがついて勉強できたり生活できている人は、無意識に、遊びのものと勉強のもの、趣味のものが「乱雑でも区別できて」置かれています。ぜーんぶごっちゃの世界では、すべてが身に付きません。
② 勉強する場所は、「勉強部屋」ですか? リビングですか? リビングでもかまいませんし、子どものお部屋でもかまいません。ただ、「両方」使い分ける、というのも大切です。いっしょに横についてする時間、本人が一人でする時間、時間制限して取り組むとき、じっくり考えるとき… そういう「差」を「空間」で示す、というのも集中力を高めます。
(2)「時」の確認
時間の使い方のことです。人が何かをする、ということは時間を使う、ということです。果たして時間を「使っている」のか「つぶしている」のか…
① 就寝時間は一定ですか? 課題や宿題などで一日の就寝時間が狂うときがあるとは思います。でも、きめられた時間に寝る、というのは大切なことです。そうして同じ時間に起きる。この「枠」が同じであることはとても大切です。
② 食事の仕方が「漫然」となっていませんか? いつまでもだらだらぐずぐず食べていてはいけません。食事時間をリラックスして食べる、というのと、食事によって時間がつぶれているのは違います。
③ 入浴時間も②と同様です。できれば一日の食事の時間、入浴時間は同じときにしておきましょう。
④ 勉強の開始時間も一定にしてください。これは曜日によって変わってもかまいません。何時から何時は何をする、というルールを徹底してください。時間が守れないことに対する親子ケンカはOKです。成績が悪いことのケンカは親子でする意味があまりありません。
⑤ 時間制限をつけてする勉強を心がけてください。時間制限は「客観的」なものと「主観的」なものに分けておこないます。ふだん、みなさんが時間制限をつけてする、という方法は「さぁ、この計算問題を10分でやりなさいっ」という方法ですよね。
それでうまくいく子もいますが、それが原因で、ミスを誘発してケアレスミスが減らない子がたくさんいます。
「この問題が、何分でできるか測定してみるね」という方法を取り入れてみてください。計算問題などは、最初は「あたなが解きやすいスピードでやってみてね」ということからスタートです。「最適速度」が何分なのかを本人に知らせる、という方法です。
これは国語の黙読速度に関してもそうです。最初は「主観的時間制限」で参りましょう。
(3)「人」の確認
これは、大きくいえば、親-子、子-塾の講師、親-塾の講師、子-友達、の関係とあり方です。それとあとは、本人-モノ、の関係です。
① 本人-モノ、て、どういうこと? と、なりますよね… たとえば、「姿勢」です。イスにちゃんと腰掛けて勉強しているでしょうか。勉強しながらキーコキーコと、ゆすっていたり、イスなのに、あぐらかいて座っていたり、膝かかえながらイスにすわってませんか? 特別に堅苦しくしっかり座ってやる必要はありませんが、模試のとき、塾でお勉強しているとき、実際の入試のときに「できない」「してはいけない」姿勢では勉強しない、ということです。「環境の同一化」が必要です。
ですから、「机上のレイアウト」もしっかりとさせましょう。40×60㎝のスペースが、試験のときの机の広さであるということをご存知ですか?
ふだんの勉強もこのスペースでさせて、ノートも教材も筆箱もこのスペースで扱わせて勉強する。
「さがす人生」はやめましょう、ということも大切です。これはしろくまの友人で、会社経営していたやつが言うていたのですが、仕事するときに「さがす」時間を使っているヤツはダメだっ と申しておりました。
さぁ、何かをするぞ… え~と、あれはどこやったかな… と、探してそれを出す。さて、次に、え~と… これはどこいったかな…
「おい、○○くん、あの件どうなったね?」
あ、はい。え~と… どこにあったかな… あ、これだこれだ。
これ、1年間やっていたら、「さがす時間」で10日くらいになっちゃう人、いますよね。仕事の始まりが「さがす」で始まるヤツは「できないヤツ」だそうです。
オフィスを3日くらいぐるっと回って「さがしていない人」をみつけて、そいつら集めてプロジェクトチーム作ったら、めちゃくちゃ仕事ができた、と言うてました。
家庭での勉強時間、半分くらい「さがしている」子、いるんですよね。どこに、何を置いているか、何がどこにあるか、しっかり机の上、中を「自分の世界」にしてやってください。
場合によっては、もう、親が管理して、はいこれ、はいこれ、次はこれっ と、やってやってもよいんです。
② 親子の関係は、まぁ、これは家庭それぞれ。お仕事がある場合もあって子どもにつききっきり、というわけではない方もたくさんおられます。でも、塾との先生との連絡は緊密にしてほしいところです。何か子どもにこうしてほしい、ということがあれば、「親→塾講師→子」という迂回路をつくればよいのです。子-塾講師、という関係も利用する、ということです。子どもが好きな先生は誰か、子どもが尊敬している先生はいないか、わざわざ聞かなくても、子どもの話の中で出てくる先生はしっかりとチェックしておく。
これは中学入学してからもそうなんですが、「いい先生」みつけたら、絶対に離してはいけませんよ。担任じゃなくなったから、習っていないから、とか、そんなくだらぬ「遠慮」はいらないのです。何かの機会があれば話しかける、世間話をする、ついでにちょびっとお勉強の話もしちゃう、それだけのことでもその先生はお子さんのことを忘れませんし、何かあったときは気にかけてもくださいます。人とはそういうもの。
親も塾との関わりを深めておく。お迎えにいったら、事務員さんにも話しかけて仲良くなっちゃうんですよ。子どもの「顔」をしっかりと売っておく。
(4)勉強の作法
① 算数は、たいてい「例題」-「解説」-「演習」の流れです。例題をたくさんできる、というのは上位クラス、例題1つで終わった、というのは下位クラス、というような理解でよいと思います。
むろん裏話的には、算数科講師どーしで、「おまえ、この単元で例題2つしかやってないのはアカンやろ」と軽いケンカにもなるところです。
この形式ですと、「わかる」はたいていの子は実感します。教室での「わかる」を「できる」にするのが演習なのですが、この延長線上にあるのが家庭での「宿題」です。
ところが、子どもによっては、習った方法で、その宿題を解かない、というヘンテコリンなことをしちゃう子もいます。ノートをしっかり確認し、「今日習ったこと、お母さんに教えて」みたいなスタートで家庭学習を開始する、というもよいことです。
家庭学習の演習問題はたいていは、三段階分類されています。基本・標準・発展、A問題、B問題、C問題
などなど塾によって色々…
講義中、塾の先生はさらに「重要問題」と宣言して、これは必ずやっておくように、と、「宿題」の問題に○印をつけさせる場合もあります。ここを聞き逃してくる子もいるんですよね。
クラスの子のレベルを考えてのご指導なのに、それを外して家庭で演習しちゃうと非能率です。
いっそ算数の先生に面談なぞを申し込み、問題などに優先順位をつけてもらう… こういう動きは親がしてやる必要があります。
② 国語の場合、家庭での復習は、まったく別文章の別問題をすることになります。「答えをおぼえてしまう」学習になってしまいます。
親音読-子黙読、という方法で、まずは「読む」。で、家庭での学習は、考えて解くものは、「理由」や「心情説明」だけにしぼり、あとの枝問は答えをどんどん教えながら読み進めていく。
また、「模範解答からの逆流法」でやる。答えはこれだけれど、どうしてそうなるか考えながら読んでいこうね、という方法をとっても可です。場合によってはこのほうが理解が深まってよい子もいます。
③ 理科はノートが大切になります。ノートのまとめ方をみれば、その子が理科で点数がとれるかどうか、すぐわかります。
理科の場合、講師の「板書」と子どもの「書写」が一致していないといけません。
だいたい、講師は黒板を2分割します(三分割の講師もいます)。真ん中に線を引いて、左から書いていく。これでノート片面、というイメージで書いていく。
ところが1面終わって2面に進んでいるのに、まだ1面をトロトロと写している子、いるんですよね。
みればノートはきれいになっている… ボールペンや色を使い分けて…
「カラーコピーノート」は、実は、講義を聴けていない子のノートである場合が多いんです。もっともこれは女の子に多いパターン。
男の子は、「授業鑑賞」になっている場合が多い。へぇ~ おもしろーい、なるほど! と、講義を「楽しんで」、ノートはほとんどとっていない…
お通いの塾は講義見学はできないですかね? 理科の講義を見学して、子どものノートと比べたら、はぁ? あなた何やってんのっ というのがわかっちゃう子もいます。
ノートは2冊。講義用と家庭のまとめ用。講義用のノートは、少々雑でもしっかり講義の板書を拾ってくるもの、で、家に帰ってから、もう一度、しっかりとノートにまとめなおす。そのときに、「お母さんに今日習ったこと、説明してよ」とプチ授業をしてもらう。
今日のポイントはこれだっ ということをつかめているかつかめていないか、素人でもわかりますよ。
④ 「見直し」させすぎない、ということも大切です。テストのお直し、復習、やり直し… これはけっこう子ども気持ちの負担になるんですよね… いっそ夏休みなどに先送りしてもOKなくらいです。
間違えたから何度もさせるっ というのも時間ロスになるケースがあります。
分かるまで考えなさいっ も、避けたほうがよいときがあります。解説を読み、わかればそれで今回はOK、としておいて「この子はここのところができていない」と親がわかっておいて、長期の休みなどに復習する、という作戦でもよしとしましょう。
(5)小5のテーマは「得意を伸ばす」「好きな教科をつくる」です。
有能な戦国武将は、総崩れとなった兵をたてなおすとき、まずは撤退します。そうして、ある「場」でしっかり再集結。歩兵と騎兵、弓隊などをしっかり分けて手持ちの戦力を確認。精鋭部隊を前面に出して、「一点突破背面展開」が、正統な戦い方でした。
一点突破、とは、得意な教科をしっかりより得意にしてやる、ということです。好きな教科をチョイスして、少々他の教科が後まわしになってもかまいませんから、「この教科はだれにも負けないぞ」「この教科は大好き」「この分野ならまかせておけ」というものをしっかり作ってやるんです。
好きな教科ばっかりやって困ります、という感想が出たら、むしろ小5は成功だと思ってください。
何かの分野を好きにさせる、何かの教科を得意にしてやる… わざと疎密を作り出すんです。それができてから「背面展開」。うしろをふりかえって、できない教科の、基本部分を「広く浅く」復習する。
できる問題をたくさん解いていく「易問」流しをしていく。これは夏休みでOK。
こんなところでどうでしょうか。
「恥ずかしい話」でもなんでもありません。まだまだこれからですよ。
できないことはあってあたりまえ。特別なことを子どもにさせているわけです。特別なことが子どもに起こってあたりまえですからね。
何か追加質問があればどうぞ。
-
【2548164】 投稿者: しろくまさん大好き (ID:aVW2V6y9b3E) 投稿日時:2012年 05月 20日 14:06
しろくまさま、いつもお世話になりありがとうございます。
しろくまさま、先日はアドバイスを本当にありがとうございました。
次男と話し合いをした結果、次男の希望通り転塾をすることにしました。
まだ、お世話になっております塾には退塾することは話しておりません。
お金の話でいやらしい話となってしまいますが、6月分の月謝は引き落とされることになっており
私は、6月まで今の塾でお世話になり7月から新しい塾へと考えております。
そこで、一つ、問題が発生しました。
次男は今すぐに転塾をしたいと申しております。
子供だからでしょうか。
もう、今のお世話になっている塾に対して全く未練がないようで
新しい塾に行きたくてしょうがないようです。
そして、早く土曜日が開放されて試合に出たいようです。
すでに新しい塾の入塾テストは受けており、新しい塾も入塾を受け入れてくださっております。
1ヶ月のお月謝は4万円しますし、新しい塾もやはり同じぐらいの値段ですので、
1ヶ月分のお月謝をドブに捨ててしまうのはもったいないと考えております。
でも、やめるとわかっている塾に通い続けるのは次男にとってやる気もなくなり
子供の身になってみるとよくないのではないか、
次男のためにはここは、私が目をつぶるべきなのか葛藤しております。
本当にお忙しいところ恐縮ですが、しろくまさまのアドバイスをいただけますでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。 -
【2548410】 投稿者: 中学受験 (ID:vPJ5nhwV1YI) 投稿日時:2012年 05月 20日 19:09
しろくま様
お忙しい中、とても詳細なアドバイスのお返事ありがとうございます。
私の質問が大雑把で、細かい様子までお伝え出来ておりませんでしたので、場所、時間、人、勉強の作法あらゆることまで
細かくご指導いただきまして大変感謝いたしております。
息子に関して、しろくまさんが仰るところの場所、時間については問題ないように思いました。
勉強の作法のノートのとり方は、めちゃくちゃで後で本人が見てもよくわからないメモのような感じのノートです。
授業はモニターで見る事が出来るので、一度視聴しに行こうと思います。
授業では、板書に追いついていないのではと思いますので、帰ってからノートをまとめさせます。
ひとつ心配なのは、授業の間に「わかる」までいっていないことです。
授業中に何をやっているのか理解できないまま、家に帰って私が付きっ切りで教えたり、塾のWEB解説を見たりして、それでも苦手なところは出来なかったりします。特に算数で、速さはちんぷんかんぷんです。
私も時間がとられますし、教えても教えても分からないので、親子で精も根も尽き果ててしまいます。
別に個別や家庭教師を付けた方がよろしいでしょうか?
近々面談がありますので、塾の先生にも相談してみます。
こんなに理解力がない息子ですので、国語の「親音読・子黙読」は、塾の宿題以外の教材をする時間が取れそうにないのですが、塾の宿題でそれをしてもかまわないでしょうか?ほんとうなら、しろくまさんおすすめの「近・中」や「近・五」に取り組みたいのですが。。。
出来ない事が多すぎて、右も左も分からない大海原にほうりだされたようでしたが、しろくまさんの仰る通り、ひとつひとつ取り組んでいこうと思います。 -
【2549044】 投稿者: 雪月蘭 (ID:0JIXK7F2sRs) 投稿日時:2012年 05月 21日 10:29
しろくま様
お忙しいのに、丁寧なアドバイスありがとうございました。
かなり質問文をはしょってしまったと思っていましたが、的確に親の心の中を見透かされていたなぁと思っています。本当にしろくま様のおっしゃるとおりで「親の独り相撲」でした。
「4年生になったんだし」という思いもあり、あまり勉強の事や計画立てにかかわるのも自立しないし、親が色々言ってもさらに子供は逃げるだけだし・・・という状態があり、しろくま様がおっしゃる真逆の事を最近ではしていたように思います。
早速、宿題のスケジュールを子供と一緒に考えてみました。
子供自身も少し安心したのか、完全にスケジュール通りとまではいきませんが、今日も朝から計画表の通りの漢字を覚えていました。
これからは、成績の伸びが悪いからとおたおたせず、どーんとかまえて「勉強の習慣化」に力を入れて子供を見守りたいと思います。本当にありがとうございます。
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