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【1928539】しろくまさんにアドバイスを頂きたい人は集まりましょう。パート6

投稿者: 初手天元   (ID:iTQCbYqzDik) 投稿日時:2010年 11月 22日 08:36

しろくまさま

パート5が容量オーバー気味の様子ですので、新スレを立てさせて頂きます。
出しゃばり、どうかお許しください。
いつもお忙しい中、親身で適切なアドバイスを下さるしろくまさまに
心から感謝申し上げますと共に、今後とも
中学受験に悩む保護者達に御助力下さいますよう
よろしくお願い申し上げます。



相談者の方々に

このスレでの御相談に対するしろくまさまのアドバイスは
外部ブログに掲載されます。
不都合をお感じの方は、その旨明記くださいますよう。



イヌイットさま 外の人さま

とても控え目でいらっしゃいますが、しろくまスレをこっそり支える
善意の協力者でいらっしゃると思っております。
いつもありがとうございます。

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  1. 【2070650】 投稿者: しろくま  (ID:JCwfVroTqUU) 投稿日時:2011年 03月 24日 21:55

    「白イルカ」さま

     しろくまは、以前ににもお話ししたかもしれませんが

    1.小4はバランスのよい学習をする学年(内容はともかく学習の習慣付けをする学年)
    2.小5は得意や好きな教科を重視する学年
    3.小6は苦手や嫌いな教科に向き合う学年

     という定式を持っています。

     でも、精神年齢が低い場合、あるいは、おっとりした性格の子などには、1つずらせた目標設定をお薦めしています。

     つまり、小6でも、夏休みまでは、第2段階であってもよい、と、思っています。

     得意な教科や好きな教科が、「いずれ」他教科に波及するようになる… と、しろくまは考えていますが、好きな教科や得意な教科に「逃げていく」というパターンも見過ごせません。

     親が、勉強しなさいっ という圧力をかけすぎていると、とにかく机に向かって勉強している姿を見せよう、勉強ちゃんとしているよ、という演出をしようと、ずーーーと好きな教科ばっかりやってしまう、という子も出てきてしまいます。

     得意な教科や好きな教科は少々ケチをつけても励みになる場合はありますよね。得意な歴史で点数がとれなかった、「おや、めずらしいわね、歴史で失敗するなんて」という一言でも、カチンときて、次は満点とってやらぁ~ と、男の子などは得意教科に磨きがかけられます。
     でも、苦手教科や不得意教科にケチをつけられると、よけいに萎えてしまって、ますますその教科との距離を遠ざけてしまいます。
     できるだけ、苦手教科や不得意教科の中でできている部分(マシな部分)を見つけてやって、そこをホメてやって、そこに易問流しをかけていく…

     苦手教科や分野の中に、できる部分を見つけてやって、そこに力点を置いていく

     「選択と集中」ということが大切です。

     ただ、志望校がうまく絞られてきている、本人の口から行きたい学校が出始めている、ということは、嫌な教科や分野に取り組ませることに少しばかりの厳しさをもって向き合わせる、ということが可能になってきている、というサインでもあります。
     それを一つの見極めのラインとして、ちょっと強く「やらせる」というところに持ち込んでみる、という塩加減も必要ですよね。
     何か追加質問があればどうぞ。

  2. 【2070813】 投稿者: 白イルカ  (ID:0n1YZs1KRek) 投稿日時:2011年 03月 25日 00:08

    しろくま様
    いつも、的確なアドバイスをありがとうございます。
    しろくま様に教えて頂き、理由と対策の内容はこだわらずに、先生に提出して見て頂いた所、しろくま様がおっしゃっていた通り、沢山ある中からピンポイントで、今後の課題などが記入されて戻って来ました…今日のハードルは、この程度なんですね。あまり、こだわりすぎない様に気を付けようと思います…

    しろくま様の『得意教科と苦手教科の頑張り方の違い』 今、正にそんな状態です。得意教科は、不本意な結果だったら、言わなくても、即×直しも躍起になって終わらせますが、苦手教科は「ここが苦手だからやりなさい」と言いますと、こちらが意地悪を言ってる様な言われ方をするので、非常に厄介です。
    知識はある程度入って来てるので、以前よりはマシですが、グラフや表、写真などのデーターを見て、正しい文章の番号を選ぶ問題、順番に並べる問題、二択など見比べて考える問題などは、やる気になってる時でも、ピンとこない様です。発表会もやらせてみたのですが…
    知識では、ある程度点を取れるのですが、それを応用出来ないんです。インゲンマメの実験など、まだ何を比べる実験かピンと来なくて、解答を知りたがります。
    最近の問題傾向を考えると、思考系は落とせないと思うのですが、なかなか難しいです。
    …グラフや表の読み取りは、社会でも「この文章はこの中のどのグラフ(資料など)から分かりますか」等の問題を落としてきます。
    大人から見ると、他の問題より易しく感じるのですが。これは、どの様に教えてあげるのが良いのでしょうか?
    しろくま様、お手数おかけ致しますが、お知恵を拝借出来ますか。よろしくお願い致します。

  3. 【2074032】 投稿者: おじさん  (ID:lw9W4W4/UaU) 投稿日時:2011年 03月 27日 12:15

    ありがとうございました。

    甲陽進学は息子が言い出したもので、私達は当初反対していました。私達は、他の中学を希望していたのです。それでも、息子の意思を尊重しよう、と認めました。塾講師も、成績の伸びを見て大いに期待していたみたいです。これがいきなり、「附属校」ですから、周囲はびっくりしています。

     春からのOPや行事で、再度学校見学に行ってきます。その間は三教科で頑張らせたいと考えています

  4. 【2075296】 投稿者: しろくま  (ID:pxq6aaQRQiQ) 投稿日時:2011年 03月 28日 11:13

    「白イルカ」さま

     お返事が遅れて申し訳ありませんでした。お庭の清掃と溝掃除をゆるゆるとしておりました。昨年の秋からたまっていた枯葉をずいぶん放置しておりましてね。しろくまの手抜きでたいへんなことになっておりました。

     しろくまは、以前に、「思考系」の設問は、「発表型」の学習が適している、と、申しました。もちろん効果が出てくるのは時間がかかります。また、もちろんどんな学習方法も子どものキャラクターに向き不向きがあるのは当然です。

     正解、あるいは、別解をみせて、もう一つの答えを考えさせる、というところから入りましょうか。

     理科の場合(社会はまた少し違いがありますが)、思考系の問題は3つ、というか、2段階で2段階目が2種類ある、というパターンに分類できます。

    1.記号選択
    2-A あなたの考えを述べなさい
    2-B ここからわかることを説明しなさい

     です。

     関西の場合は、1および2-Bが多く、2-Aは教育大学の附属系にみられました(これは昔の話ですが、現在でも附属平野などに散見できます)。
     関東は、2-A・Bが多いですよね。麻布中の理科は、なかなか思考系のしっかりした問いを用意してくれており、

     1型と2-B型の良難問

     が用意されています。

     また、桜蔭中も、とくに生物地学分野で、グラフや図表を入れ、ふつう、物理化学系で「思考」型にするところをあえて生地で問うところなど、なかなかセンスの高さを感じさせます。
     これは開成中も同様なんです。(桜蔭と開成中の「説明しなさい」系の問いは同傾向異学校問題として活用できますよ。)

     そこで、もういよいよ入試の実践型に取り組んでいくべき時期になりつつありますので、春休みの間に、小5範囲を確認しながら「思考型」を二段階でまとめてみてはどうでしょうか。

     まず第1段階としては、記号選択の「思考」型を選択して解いていく。

     まずは物理化学系から入り、「この実験からわかることを次から選び、記号で答えなさい」という問いばかりをやっていく、という方法です。
     これは関西の場合ですと模試の大問の最後の問題などがこの形式になっています。実際の入試でも、大問の最後はこの形式のものが多く、素人でも選びやすくなっています。

    (1)光
    (2)電気
    (3)磁石
    (4)力のつりあいとふりこ
    (5)物のあたたまり方
    (6)物のとけ方

     前にも申しましたように、塾の理科は塾によって「発達段階型」と「スパイラル型」のどちらかでカリキュラム構成されています。小5でも小6範囲を簡単にしてやらせている(先取り型)の場合と、小5は小5、小6は小6、小5の復習は別講座で補う、という場合ですね。
     発達段階型ですと、物理化学分野は、上の6項目が五年配当になっています。
     そこで、6つもすべてするのはたいへんですから、ここから3つ選び、

     第1段階は1型、第2段階は2-A型にします。2型のうち、Aをおこなうのは、子どもの興味を得やすいのは「自分の考えを書かせる」というものだからです。夏休みに2-B型の良質な難問にもちこむのがよいでしょう。(桜蔭や麻布のような)

     申しましたように、まずは上の(1)~(6)から3つ本人に選ばせて、「記号選択」の「思考系」を選びます。

    ☆ 「このことからわかることを次から選び、記号で答えなさい」

     それは模範解答と照合し、解説などを読ませてわかればOKとします。

     参考書としては、前に紹介した『塾で教える理科』(文英堂)のようにしぼって深くのものと、『力の5000題』『応用自在』のような厚めの、でも、基本項目を広く浅く解説したものを2冊用意してください。

     第1段階に入る前に、「力の5000題」のようなものをざっと読ませて、第1段階に入る、その後、『塾で教える理科』のような深くしぼったものを読ませてから、「自分で考える」というパターンの問題を選択します。
     ちょっとわかりにくいと思うのでしろくまがいくつか例題をあげますと

    ① 太陽の光で動く車をつくりました(太陽電池で動く車のことです)。校庭でこの車を走らせていると、木陰に入ってしまい、走らなくなりました。この車を手でさわらずに、木陰から出すにはどうしたらよいですか? ただし、身近な道具を使ってもよいものとします。(比叡山中)

    ② 宇宙太陽発電は地上での太陽発電と比べて、同じ面積で1日あたり、より多く発電できます。その理由を簡単に説明しなさい。(賢明女子学院中)

    ③ 見た目が同じ2本の棒ア・イがあります。1つは磁石で、もう1つは鉄の棒です。どちらが磁石かを調べるためには、どのようにすればよいですか。ただし、この2本の棒以外に道具を使ってはいけません。必要ならば図を使って説明してもよろしい。(大阪教育大学附属平野中)

    ④ ふりこが1往復する時間をストップウォッチでできるだけ正確に計ります。そのためのくふうを説明しなさい。(滋賀大附属中・報徳学園中)

    ⑤ 水や空気はあたためられると上に上がるのはどうしてですか。説明しなさい。(大阪教育大学附属平野中)

    ⑥ 百葉箱で気温を測るとき、太陽の熱がどのようにして温度計まで伝わるのかを説明しなさい。(常翔啓光中)

    ⑦ スペースシャトルの乗組員が船外で活動する際は、必ず宇宙服を着用しています。シャトルから外に出ると宇宙服はどのような状態になると考えられますか。(神戸国際中)

    ⑧ 洗濯物は、日なたに干しておいたり、乾燥機を利用したりすると速く乾きます。このことから考えて洗濯物がよく乾く条件を3つ、それぞれ12字以内で書きなさい。(奈良学園中)

    ⑨ ビーカーに入った水溶液から、溶けているものを取り出すには、水溶液を冷やす以外にどのような方法がありますか。ただし、ビーカーの中に水溶液以外のものは入れないものとします。(聖心学院中)

     どうでしょう、小5配当範囲の物理化学系の「思考」型の例をあげてみました。こういう種類のものを『電話帳』から探し出して解いていく春休み、というのもなかなかおもしろいと思います。
     ちょうど今の時期は小5から小6へ、という過渡期ですので、これらは、おそらくすべて習っている範囲だと思うので、①~⑨の問題を考えさせて、それに関連する項目を整理してみるのもうまくいくかもしれません。

     関東の方の場合、大阪教育大学附属の平野中・天王寺中の理科の「思考系」「記述題」は、桜蔭中や麻布中の同傾向異学校問題として活用できますと、良易問・良難問がたくさんあります。活用できますよ。

     何か追加質問があればどうぞ。

  5. 【2075564】 投稿者: 白イルカ  (ID:0n1YZs1KRek) 投稿日時:2011年 03月 28日 15:45

    お忙しい中、御返事戴きましてありがとうございます。
    日差しも春めいてきて、しろくま様のお話を伺い、我が家も重い腰を上げて、伸び始めてきた雑草を抜かないと、と思いました。

    理科の件、非常に丁寧に教えて戴きまして、大変感謝致します。
    苦手なものは、スモールステップで進めないといけないのですね…
    御返事を、出先で拝見しましたので、早速『力の5000題』と『塾で教える理科』を購入してきました。大阪教育大学の物も、かぶりが無いので好都合と、こちらも取り寄せましたので、手順に従って、誉めながら進めてみます。そして、母は志望校の再点検も、ですね…

    しろくま様、色々とありがとうございました。
    今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

  6. 【2076478】 投稿者: しろくま  (ID:ntfNUysyfrA) 投稿日時:2011年 03月 29日 11:32

    ~そして、また、入試が始まる~ ⑪ 個別・家庭教師などなど…

     大手塾の、オリジナルの教材やシステムの中でお勉強されている方もおれば、家庭教師の利用や個別指導の塾で中学受験をめざされている方もおられると思います。
     今回は、そういう方のためのお話もしてみたいと思います。

     すべての子が対面式の講義、1クラス40名以上の大教室の中で、ライバルと競い合いながら成長する、というわけではありません。かならず、向き不向きがあります。
     実績がない中小塾だ、全体の位置づけがなかなかできない家庭教師の指導だ、などと言われる場合もありますが、それらの学習を通じてしっかりと合格してくる子、いますからね。

     募集人員、全員が1つの塾で独占される、ということは歴史的にありません。どれだけ多くの実績を出している塾であっても不合格者はいますし、他の人に適しているシステムであっても自分の子に適合しなければ意味ありません。
     その塾の実績は、あくまでも他人の実績であって自分の子のものではない…

     計画表があって毎回小テストがあって、月一回の模試で全体の位置を確認していく…
     たしかに、よい方法ですが、子どもによっては、それに乗り損ねてしまって、課題「で」力をつけるのではなく課題「を」することに追われて、成長の実感よりも課題の負担感に疲れてしまう… という子、います。

     何度も申しますが、

    ☆ 子どもは負担は苦にならない、負担感が苦になる

     ということなんです。けっこう質・量ともに手応えのある学習を中学入試を通じてしていきますが、子どもの吸収力、理解力はものすごいものがあります。
     でも、どんな少ない、どんな簡単なことでも、「負担感」が強い学習だと、子どものやる気は萎えていきます。
     そこで、「負担感」をどれだけ解消するか、ということが、中学入試のお勉強の大切なポイントになるんです。

     力で押し切る、という、まぁ、負担感をつきぬけるっ という大技も昔から入試にはつきものでした。とくに、一部私立の高校入試をめざす塾は、昔はすさまじかったですよ~
     英語の単語や構文を一定時間に暗記させる… その間、うしろで塾長さんが、木刀もって素振りしている…

     ○○くんっ できたかぁ~!
     い、いえ… まだです…
     よーしっ こっちこいっ
     はいっ

     ドカっ

     と、まじで(本当の話ですよ)木刀でどつかれる… こんな手法、完全に前時代的で、現在の子どもには無理でしょう…

     もちろん、一定の強制力が入試には必要であることをしろくまは否定しません。作業系、易問流し、などは、本人が泣いても嫌がっても一定時間机の前にしっかり座らせる、ということも大切です。
     ただ、子どもはこういうことにも順応性があります。数字につながらなくても、「学習習慣」「特定の時間がきたら机の前に座る」ということができるようになっていき、将来の学習の負担「感」減少の仕込みになります。

     負担感がない学習、というのは、家庭教師や個別の中小塾、というのは得意です。と、いうより、そこにこそ本領を発揮できる部分がありますよね。
     なんせ、子どもの顔色がわかります、速度がわかります… もちろん、本人のキャパより多いものを与えないとキャパそのものが大きくなりませんが、システムがしっかりした大手塾ではこれが裏目に出て、全員に同じ負担を課すので、子どものキャパに応じた、「適度に多い目の」負担を与えにくい場合があります。
     もちろん、昔は中小塾は、「負担感突き抜け」式で突破するところもありましたが、昨今は、こういう「子どもに合わせた」学習指導をしてくれるところが増えているようです。

     負担感の解消、ということの典型的な話をしますと、昨今、個別指導でも、講師:生徒=1:1、ではなく、講師:生徒=1:2、1:3という手法のものがありますよね。
     実は、料金もお安くできる、というメリットもあるのでしょうが、これ、勉強が嫌い(負担感が嫌い)という女の子には適している方法なんです。
     以前に、

    ☆ 女の子はみんなと同じに安心感とやる気を出す

     という話をしたと思うんです。「仲の良い友達とならやってもいい」ということをサラっと、言うんですよね。塾に通うきっかけも

     ○○ちゃんが行くから

     という理由にする場合、けっこうあります。

     しろくまも、塾で、苦手な子を集めて国語の個別の対応をしたことがありますが、女の子は、必ず友達、連れてきましたからね。「○○ちゃんといっしょ」というのが負担「感」を消してくれる…

     お父さんはついつい、「つるんで勉強しても力がつかんっ」とお怒りになりますが、それはどうか男の子に対してでお願いしますね。

     私立の男子中の先生とお話ししたことがあるんですが、考査前に放課後、教室で自習する場合などは、必ず、一人一人「自分の」机に向かわせて勉強させるそうですし、そのことに男の子は違和感を持たないそうです。
     男子は「つるんで勉強しても力がつかない」ということは正しい、と、思うんですよね。

     私立の女子中の先生は、ちょっと違う話をされていました。考査前、教室で自習する場合、必ず、仲の良い友達と席が隣り合わせで座るそうです。もちろん、べつにおしゃべりをするわけでもないらしいのですが、「横にいてくれる」だけでよいみたいなんですよね。先生に誰かが質問に行くと、かならず誰かかいっしょな「付き添って」くるそうです。

     もちろん、子どもにもいろいろなキャラクターがあって、男子でも女子っぽくつるむ子もいれば、女子でも男子っぽく群れない子もいます。

     まったくしろくまの個人的感想ですが… 募集人員が少なく、しかも難問で偏差値が高い学校、というのは、現在でも家庭教師や個別指導、中小塾が適しているケースがあると思うのです。(関西では、洛南をめざす女子、関東なら筑駒をめざす男子、などなど…)
     もう一定以上の学力がある、あとはそこの学校の問題を確実に得点できる学習をしていくだけ、という場合、「難問じっくり」という攻め方では、個別的対応力、というのが「最後のひとしぼり」の力を出し切るのに有効な場合があるかもしれません。
     大手の塾でも、たとえば洛南の女子に実績を出している塾、四天王寺の英数と標準(現在は英数ⅡとⅠですね)なら英数のほうの合格者が多い塾、というのは、「個別対応」に力を注いでいるのではないでしょうか。
     関東でも、むろん、大きな網をうって優秀者を集めて、適正配分していくタイプの塾が数は出すでしょうが、もともとその学校に合格する力がなかったが、個別対応力を発揮して(成長させて)ある特定の難関校に入れる、という中小の塾もありますよね。

    ☆ 負担はあっても負担感をどう減らしてくれるのか

     というところが、家庭教師、中小塾、個別指導の最大のポイントになります。

     さらに、「自分で学習する時間」というのが大切になります。家庭教師や個別指導の場合ですと、先生が教材などを用意してくださる場合もありますよね。

     指導(講義)+参考書+問題集

     という形式になっている場合があり、講義と宿題(問題演習)の循環式の学習指導がもっとも多いパターンでしょうか…

     ある単元の解説をする、家庭でその単元の演習をする、次の講義で解説と質問を受けてくれる、で、次の単元の解説をしてもらえる、家庭でその単元の演習をする、次の講義で解説と質問を受けてくれる…
     という「循環」ですよね。

     家庭教師の場合でも宿題を出される方もおられますし、解説・思考・演習をすべて「指導・監督・管理」してくれる家庭教師の方もおられます。
     家庭教師を選ばれる場合は、どちらのタイプか、あるいはこちらからどちらを要求するか、というのは考えられておくべきだと思います。

     「家庭で学習した単元の演習をしておく」という場合は、当然、その管理を親がすることになります。その点は塾に通っている場合と同じで、タイムキーパーとして、またチェッカー(ちゃんと課題をしているか否か)として親が機能しなくてはなりません。
     塾と違うのは、次の「解説と質問」で、子どもによってわからない部分は違いますし、質問すべき問いも違いますが、家庭教師や個別対応の場合はそこをピンポイントで教えてもらえます。こういう点はメリットとして最大限に活用してほしいところです。
     1:1よりも1:2の場合は、友達のまちがいや、できていない部分をいっしょに聞くことになります。それが一見ロスのように見えますが、自分ができた、わかったと「思っている」部分を再確認できますし、自分のやった方法とは違う「別解の発見」に通じる場合もあります。自分の方法に固執するタイプの子には、自然な形で(妙な意地の張り合いにならず)「違う勉強方法に気づく」きっかけにもなります。

    (次回に続く)

  7. 【2077097】 投稿者: 国語が苦手な新高1  (ID:7TfzNibSn3Y) 投稿日時:2011年 03月 29日 21:15

    こんにちは、しろくま先生。
    我が家の新高1の息子の国語に関する相談です。
    中学受験の際にも国語が苦手で、最後まで基礎的な短い読解問題をやって本番に臨みました。
    中高一貫校に入ってからは、男子校のせいか偏差値50以上は取れており評定も良かったため、国語が苦手であるという意識がなくなっていました。
    ところが中3になって駿台、河合塾といった大手模試を受けるようになると、国語の偏差値が40台と完全に他の科目の足を引っ張るようになりました。
    学校の授業や課題はきっちりやっているようですが、現代文/古文ともに点が取れていません。

    高校生の場合、どのような対策が必要でしょうか?
    しろくま先生からのアドバイスがあれば、息子に伝えたいと思います。
    よろしくお願いします。

  8. 【2077780】 投稿者: しろくま  (ID:LaeT81kDUec) 投稿日時:2011年 03月 30日 13:01

    「国語が苦手な新高1」さま

     男の子の場合、中学入試で苦手だと、そのまま「苦手」意識を持ち続けてしまうケースはあります。
     でも、案外「意識」だけのことで、日々の生活や精神年齢の向上を通じて「読んで理解する」力は自然についている場合もあるんですよ。ただ、私立一貫校ですと、英語や数学、場合によっては社会の暗記物の膨大な「課題の処理」に追われて、国語のまとまった学習ができていないケースがけっこうあり、「問題演習の不足」(英語や数学ほど国語学習に時間をとれていない)ということになっている場合があります。

     まず、「外堀を埋める」ような話から説明していきますね。
     中高の生活を通じて、クラブ活動などをしている子は、「精神年齢の向上」が早い場合があります。「1つ上の語彙」に接する機会が多いからです。
     変な話ですが、幼少期から少年期にかけて、大人は、とくに親は、「子供の世界におりて」話をしてくれます。幼稚園児などには、「どこにいきまちゅか~」みたいに、大人が赤ちゃん言葉で話しかけたりする場合ありますよね。
     親は、案外、子どもの語彙を増やすのに役立たない場合があるんですよ。
     クラブ活動などをしていると、「先輩」が存在、まずは言葉使い(敬語の使い方)から改められます。わりとクラブは上下関係が確立されている場合があり、大人の語彙に、「自分から登っていく」機会を得られるわけです。クラブは小さい「社会」でもあり、学校生活に幅ができてくると、「国語力」が高まる「素地」ができあがっていきます。
     もちろん、これは趣味や遊びを通じても養われる部分です。超スパルタの詰め込み学習をしている学校ですと、どうしても国語の学習時間が損なわれて、「模試での国語の点数」が低くなる、という傾向が出てきます。
     
     それから第2に、「副教科」への意識的取り組み、です。美術や技術家庭、音楽などです。これもスパルタ系の学校ですと、ほんとうにテキトーに(教師すら、そんなもんせんでええっ とか言う場合あります)対応しているところがあります。
     変な話ですが、別に芸術家をめざすのでなければこれらを満点めざす必要はないのですが、「こんなもん大学入試に出ないやろ」ということが口癖の者ほど、国語ができていませんね…
     高校になると「欠点」という制度があるはずです。これは学校によって設定値は違いますが(平均点の何%未満、30点未満、などなど)、せめてこの欠点以上平均点くらいになるようには「副教科」をしっかり取り組んで欲しい、ということです。
     大学入試でとりあげられる文章は、芸術系のもの、身近な生活の随筆など、たくさんあり、ちょっとした知識や経験で「共鳴」できるものはたくさんあります。
     ふだんの学校生活で養われていくものを、自ら削いで行っているケースがお勉強熱心な私立一貫校には多くみられます。
     中学入試のみなさんにもお話ししている、

    ☆ 何かを増やすことは何かを減らすこと

     ということが、まっさきに「国語」に現れてしまうんですよね… 昔の(今もかもしれませんが)トップの公立高校の生徒や附属高の生徒は、「小論文」など、作文系のもの、現代国語の長文記述では、ほんとうによい答案を書いておりました。英語や数学、文系の場合は日本史や世界史などの「先取り」学習では、公立高校の生徒は私立高校の生徒にかなわない部分が当然ありますが、国語に関しては模試などでは大きな差がついていませんでした。

     私立一貫校の子たちには、数学や英語にかけている質量・時間と同じだけ「国語」にも取り組んでいますか? という問いをしたいと思っています。
     数学や英語ほど取り組んでいないのに国語が苦手です、と「思いこんでいる」人は、疑似の国語が苦手、なのです。

     さて、実際の技術的な部分にも言及していきますね。

     私立の一貫校は、概ね、6年を2で割った3ブロックで学習のカリキュラムを設定している場合が多いと思います。

    A 中1・中2で1ブロック
    B 中3・高1で1ブロック
    C 高2・高3で1ブロック

     ということです。まず、国語の場合のAブロックに関して。

     現代文はそれほど難化しません。学校に入って第1の印象が、中学入試の国語の文章のほうが難しかったかな、と、感じる場合もあるくらいです。塾では、難度の高い(高校入試並の文章)ものを取り扱うケースもあり、「ちょっとゆりもどし」的な印象を受ける場合もあります。
     Aブロックで特徴的なことは「文法」です。かなり綿密に「文法」が取り扱われ、私立の一貫校の中には授業で「現国」と「文法」と別に時間割を組んでいるケースがあります。
     国文法は、実は、大学入試ではほとんど問われなくなりました。なのにかなりの力点を置くのは、「古典文法」のための下敷きにするためです。
     ここで、「第1のつまづき」が出ます。国文法を「手を抜く」という子が出てくるんですよね。これは古典文法のつまづきにつながって、「古典で得点できる分野」の喪失になってしまうのです。
     それから、現代文に関して、私立の場合「読書指導」をしてくれる学校があり、それがAブロックの特徴でもあります。(だいたい女子中に多いのですが)しろくまの時代では『読書ノート』というのがあって、どんな本を読んだか、そうしてごく軽い感想(というよりコメント)を書かせて提出する、という指導をする学校がありました(かなり古くさい方法ですが伝統校ではしっかりやっているところもありますよね)。
     何か本を読むのだ、という意識付けをしてくれるんですよね。(スパルタ系の学校は、これをやらずにがんがん英語と数学に力をかけちゃうんですよ。中学で共通一次試験の数学できても、国語がおいてけぼりになっているなんて歪すぎてトータルな入試の合格力を削いでしまいます。)

     Bブロックに関して。

     ここがお子さんのポイントになります。まず、現代文のレベルが急に高くなります。素材は中3の教科書などで勉強を進めていく学校がありますが、その場合は考査が「質・量」ともにかなり重厚になります。
     ここで2派に分かれます。

    ○ 高校レベルの文章を中3で取り上げていくが設問は平易(簡単、というより素直な、という意味。ただし記述重厚)
    ○ 中3の教科書を用いるが設問が難(量を多くするか、設問を難しくする)

     ひょっとするとお通いの学校は後者のパターンだったかもしれませんね。模試は、中3のものでも高1レベルですし、私立によっては中3で高1の模試を受けさせる場合がありますよね。
     このへんはどうでしょう? 受けられた模試は中3の当該学年のものだったか、それとも高1のものだったか?

     私立によっては、Aブロックで「古文」が始まる場合があります。ただし、まぁ、「読み物」として楽しむ、というところと、あと、しろくまの時代でしたら「暗誦」でしたね。いわゆる冒頭シリーズです。どうです? お母さんもやられませんでしたか?
     『枕草子』『徒然草』『平家物語』『奥の細道』がビッグ4です。音声から入って、古文に慣れる… ということですね。
     中2あたりでこれらの暗誦を始める学校もありますが、Bブロックでは本格的な古文学習が始まります。

     暗誦+古典文法+古文単語+読解

     Bブロックでは古文でやるべきことが増えます。ここで、現代文のレベルがぐっと高くなると、同じ国語の中でも現代文に手が回らなくなり、ますますわからなくなる、という負のスパイラルが始まります。
     ですから、実は、この春休みが大切な「調整期」になります。

     まず、古典文法はどうですか? さかのぼってAブロック期の国文法はちゃんとできていましたか? もし、手を抜いていた、という本人の自白があれば、Aブロック期の定期考査や小テスト(私立一貫校の場合は文法系の小テストは充実しているはずです)の見直しをしていきましょう。

     古文の「暗誦」、手を抜いていませんでしたか? もし暗誦がおこなわれていて、ちゃんとおぼえていなかったなら、この春休みにしっかりとやりなおさせてみてください。

     古文単語、しっかり整理できていますか? 英単語と同様ですよ。しっかりまとめて整理しておく。おぼえていない、わすれていること、とくにAブロックで古文が入っている場合は、そこから拾い出しておきましょう。

     さて、現代文ですが… Bブロック期間の「春休み」の3つの方法を紹介しますね。

     旺文社から『傾向と対策』というシリーズが出ています。現国で共通一次試験対策の小さいものなのですが、それをちょっと見ていただいて感想を聞いてください。。この文章レベルに違和感がないなら、そのままその『傾向の対策』を「読ませて」ください。
     文章一読、設問を読んで、いきなり模範解答と解説も読んでいく… ちょっと考えてすぐ解説と解答をみる、で、かまいません。こういうことを大学入試(共通1次試験)でするんだな、というような「感覚」を理解させる、ということでOKです。

     駿台や河合塾では、過去の模試などバックナンバーがそろっているハズです。たぶん冊子になっていると思います。
     高1や高2の模試のものもあったと思うのですが…
     それを購入されて、中学入試と同様、「模範解答からの逆流法」で取り組ませてください。
     大学入試も「文学的文章」と「説明的文章」に大別できます。なかなかくせ者なのが「随筆」なのです。これは後まわし。春休みのポイントはまず「説明的文章」にしぼりましょう。「文学的」なものは夏休みに…

     3つ目は、中3の検定教科書の説明的文章の「要約」です。筆者の言いたいことを120字以内でまとめなさい、という方法ですね。
     これは説明的文章の基本構造の確認です。

     「例」→「意見」

     が、ちゃんと理解できているかどうか… この例から何を言いたいの? の、核心を拾い出させていく、というものです。

     やはり、検定教科書というのはよく考えられたよい文章が、そうして子どもの発達段階をふまえたよい文章をチョイスしてくれています。場合によっては中2のものでもかまいません。

     こんな感じでどうでしょうか。

     ちなみにCブロックは実際の入試問題演習が始まる時期です。たいていの私立の場合は、高1で文系か理系かのアンケートがとられて、高2からクラスが文系と理系に分かれて授業が進んでいきます。
     2年かけて、文系理系それぞれの問題演習が進むわけで… こちらはまずは学校のやられる方法に即してしっかりと進めてください。

     何か追加質問があればどうぞ。

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