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【1928539】しろくまさんにアドバイスを頂きたい人は集まりましょう。パート6

投稿者: 初手天元   (ID:iTQCbYqzDik) 投稿日時:2010年 11月 22日 08:36

しろくまさま

パート5が容量オーバー気味の様子ですので、新スレを立てさせて頂きます。
出しゃばり、どうかお許しください。
いつもお忙しい中、親身で適切なアドバイスを下さるしろくまさまに
心から感謝申し上げますと共に、今後とも
中学受験に悩む保護者達に御助力下さいますよう
よろしくお願い申し上げます。



相談者の方々に

このスレでの御相談に対するしろくまさまのアドバイスは
外部ブログに掲載されます。
不都合をお感じの方は、その旨明記くださいますよう。



イヌイットさま 外の人さま

とても控え目でいらっしゃいますが、しろくまスレをこっそり支える
善意の協力者でいらっしゃると思っております。
いつもありがとうございます。

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  1. 【2110413】 投稿者: しろくま  (ID:ZIQThb/tVt2) 投稿日時:2011年 04月 27日 20:26

    「三男」さま

     ちょっと前に英俊社さんに電話したときは、「本屋さんを通じて」在庫の確認をしてくだされば、注文できる、と、おっしゃってたんですが… 本社に残っているものも無くなってしまったのでしょうかね…

     新しい「近・中・標」が出たら、また取り組みたいと思いますし、今度は「小5」用のものを使って、ほんとに苦手な子のために「講義」してみたいな、と、思っています。国語が苦手な小6、そして小5、で、わりと得意な小4の子たちができるように。

     やはり国語の記述は添削による「往復」が大切です。

     一回目、×だけつけて返し、もう一度やり直させる… で、2回目は、どこをどうすべきか、本文のヒントとなる箇所を示唆してさらに返す… で3回目で仕上げていく…
     洛星や麻布のような、また大阪星光の物語文でかつ長文記述の場合はそういう念入りな対応が大切になります。

     関東の国語序説を一段落させたら、洛南の国語、というのにも取り組みたい、と、しろくまは考えています。とくに男女共学後、女子の方は、あのタイプにとまどいを感じる子も多いと思うんですよね。洛南さんは、男女共学になったからといって、とくに算数や国語で何らの「配慮」もせずに、どーんとつきだしてきていますから… 今回、映画の近日ロードショーの予告編のようですが、ちょっとかいつまんでお話しさせていただきますね。

     女子に限らず、国語が苦手な男子も、洛南の国語にはけっこう打撃を受けます。そのポイントなのですが…

     実は、洛南は、灘の第1のタイプの「語句系」のものがセットになっています。ただし! 独立型ではなく、文中型なんですよ。
     灘の初日はほとんど独立型のものですが、いや、文章もリンクしているよ、という方もおられるでしょうが、変な話、その語句の問題をしたいがために、その文章をもってきている、というもので、文中型ではなく、独立型に文章がおまけにくっついているような印象なんですよね。

     (平成22年の大問2の(7)の問いなどは、しろくまの時代の灘の第1日目の問題とよく似ています。)

     洛南のは、それをきくならいっそ「独立型」にしてよ、というような語句問題の設定なんです。

     つまり、文章読解と、まっったく別に、場合によっては唐突に語句だけの問いになります。

     女子は、読解の思考をその問題によって中断されるんですよ。
     男子で苦手な子は、レイアウトに失敗して時間内にできなくなるんですよ。

    ☆ 「語句と読解」を的確に分けた「設問のレイアウト」と「時間のレイアウト」を考えた訓練をしておく

     次に、記号選択問題。とくに物語文のものが、なかなかくせ者です。意外に思われるかもしれませんが、最近の神戸女学院の物語文の記号選択と質的によく似ています。この点が、男子の国語が苦手な子が足をすくわれるポイントなんですよね。
     洛南の物語文の記号選択題と、神戸女学院の物語文の記号選択題は、「同傾向異学校問題」になります。神女も洛南も、同世代の若いシャープな頭の国語の先生が作成されているのかもしれません。

     そして、ふつう、中学入試の選択肢は「4択」なのですが、洛南はア~オの「5択」なんです。しかも、3:2で、まぎらわしいものを「3」設定しているというこの根性のわるさっ!(洛南の先生ごめんなさいっ)
     ただ、いずれも、物語文ですが、「手順をふんで」論理的な思考で選択肢をしぼれる、という質のものですから、「模範解答からの逆流法」を記号選択で取り組んでいけば、その問いは理解できます。
     ただ、時間内にそれをしていく、という、「手際のよさ」と、それをふまえた演習量を増やしていく、ということが必要で、先に述べたように「灘」のような語句学習にも手を染めておかなくてはならないので、男女分ける、というより、灘のコースにほうりこんで男の子といっしょに学習させるような持ち込みをしていないと、女子のコースでゆるりとじっくり、という学習ではちょっと本番、へこたれそうです。

     「三男」さまのお子さんの場合は、むろん男の子ですが、「うちの子は国語が苦手な子である」と割り切って、物語文の記号選択題は、「時間制限下」での演習と、「模範解答からの逆流法」でゆっくり考える、という二本立てでしばらく学習してほしいところです。
     神女の物語文の記号選択問題をGW中に「1文章1設問」学習で5年分ほどざっとやってみられたら、こんな感じの記号選択か… と、「カン」をつかめて、志望校別の学習でも「過去問かぶり」はしないでしょう。小5でも、女子中でとりあげられる文章ですから、じゅうぶん問題に向き合えます。
     あと、大阪の清風中の物語文の記号選択もよい「同傾向異学校問題」の演習になります。

     で、おっしゃるように、記号選択も「理由説明」だけのチョイスでいきましょう。テーマは「理由」! と、言い切って、それをしっかり解かせていく、ということがけっきょく集中力を高め、やる気も持続します。

     何か追加質問があればどうぞ。
     

  2. 【2110432】 投稿者: しろくま  (ID:ZIQThb/tVt2) 投稿日時:2011年 04月 27日 20:43

    「ご教示ください」さま

     いろいろすでにやってくださっていたんですね。

     すぐには、本人の「あせり」を鎮められませんが、「主観的時間制限」はしばらく続けてください。「25分の算数」というのは、子どもにとっては「短く」で「あせり」を感じさせやすい長さですね…
     高学年になって、いっそ50分や60分の模試になってしまえば解消するとは思いますよ。いまの時期、特有のあせりだと思います。
     学習環境の同一化まで、それほどしっかりやっておられれば、安心してください、時間の問題で効果は出ます。ようするに小6までに「時間のレイアウト」が身に付けばよいのですからね。

     国語は、もちろん、今は「時間制限下」にはおかず、物語文などは、じっくりていねいに、場合によっては「親音読・子黙読」でいっしょにやっていく、わからぬ表現、語彙はそのつど説明してやる、という方法でいっこうにかまいません。
     ここで、へたに「入試技術」や「時間制限」などを絡めてしまうと、将来の難問耐久性がなくなります。

     ただ、来年くらいには説明的文章で、「どれくらいの時間かかるか計ってみるね」という主観的時間制限は取り入れてもよいと思います。
     物語文はじっくりと丁寧に、説明的文章は、理詰めでテキパキと、というクセがつくとよいところです。

     何か追加質問があればどうぞ。

  3. 【2110811】 投稿者: ご教示ください。  (ID:L9TElVpuJc2) 投稿日時:2011年 04月 28日 09:00

    しろくま様

    早速のご助言をありがとうございます。


    > いまの時期、特有のあせりだと思います。
    > ようするに小6までに「時間のレイアウト」が身に付けばよいのですからね。

    心強いメッセージをありがとうございます。ひょっとして、焦っているのは私の方かもしれませんね。
    先はまだ長いですから、じっくりと愚息に付き合っていきます。


    > 国語は、もちろん、今は「時間制限下」にはおかず、物語文などは、じっくりていねいに、場合によっては
    > 「親音読・子黙読」でいっしょにやっていく、わからぬ表現、語彙はそのつど説明してやる、という方法で
    > いっこうにかまいません。
    > ここで、へたに「入試技術」や「時間制限」などを絡めてしまうと、将来の難問耐久性がなくなります。
    > 物語文はじっくりと丁寧に、説明的文章は、理詰めでテキパキと、というクセがつくとよいところです。

    国語についての勉強法も大変参考になりました。
    結果や成果が見えやすい算数に重点をおいて、国語は、ついついおざなりになっていて、それが復習テストや
    公開テストにも如実に現れ、「さて、どうしたものやら・・・」と、悩んでおりました。

    「読解力をつける」といっても、具体的に何をどうすればよいのか、よくわからず、市販の読解問題集の
    数をこなすことしか思いつかず、さりとて、それをやっても、一向に成果が見えて来ず、悶々としていました。
    おっしゃっていただいたことを見据えて、今後の国語の自宅学習を実践してみます。


    本当にありがとうございました。

  4. 【2111311】 投稿者: アンジェ  (ID:2slpZ3uOiIM) 投稿日時:2011年 04月 28日 17:37

    以前、国語の勉強方法について教えていただいた者です。
    子供は現在6年生です。
    あれからしろくま様のアドバイスをもとに、近中標に取り組んでいったところ
    波はありますが、5年のときには考えられなかったような偏差値をとることもあり
    やっぱり思い切ってしろくま様に相談して良かったと思う次第です。

    そこで、また相談にのっていただきたいのですが・・・

    子供の志望校は、開成中学です。
    以前お伝えした偏差値をもし覚えていらしたら、
    本当にびっくりされるでしょうが、本当なのです。
    高い壁だとは分かっていますが、こないだ本人の口から
    どうしても合格したい、という言葉をはじめて聞き、
    親として、入試までになんとかして実力がつくようにしてやりたいと思っています。
    しろくま様は今、麻布や筑駒の入試問題を研究されていて
    お忙しいとは思いますが、
    開成対策についても、ぜひお伺いしたいのです。
    たとえば今年の入試問題でいうと、
    物語文の最初に鳥が登場するのですが、この鳥が何を暗示しているのかを
    問う問題や
    随筆文の中に引用されている俳句の季語が与えるイメージについて
    考えられることを述べる
    といった問題が見受けられたのですが
    具体的にどう対策してよいか分かりません。
    上記の随筆文の問題については、塾も解答をつけるのに苦労した
    (どこまで本文から離れて自由に考えてよいかという判断に迷った)
    とのことで、
    塾でも判断に迷うという問題を、子供にどう説明したらよいものか
    というか、その問題の解答を理解するというよりも
    類似の問題がまた出てきたときにどう対処させたらよいのか
    分からないのです。

    このような問題を出題する関西の中学をもしご存じでしたらお教えください。
    また、上記の問題に限らず、開成の問題全般についても
    具体的な対策をご教示いただけないでしょうか。
    よろしくお願いいたします。

  5. 【2111455】 投稿者: はじめまして 三つ子です  (ID:A9sB6I.m6Sg) 投稿日時:2011年 04月 28日 20:17

    小学校5年です

    去年の暮から 急に受験を決め 何もやってない状態から 
    今年の2月 思い切って塾へジャンプインしました。

    ただ3番目は ゆっくりタイプで 入塾テストで入れませんでした。
    2月から 1番2番目を塾に入れ 塾のペースとテキストを元に3番目は ママ塾でやってみました。

    しかし 送迎 そして 1番2番目も家で私がフォローすることもあるので
    3番目のママ塾が 計画的には全然進まず・・このままでは 3番目は危うい・・
    やはり 塾での復習テストなどの刺激は 必要なのかな・・と考えていますが
    他の習い事の関係もあり 実際 3人目を入塾させるのは 経済的に無理です。

    そして1,2番目は 算数で点数が出ずに (割と家では出来ているのですが・・問題を解くのが遅いので点数に結びつかない)
    国理は 復習テストで取れても 算は なかなか取れません。

    算数は 計算テキストはきちんとやるように・・と言われて
    なるべく意識して声かけしていますが 5分で解くというより 途中でひっかかると そこで かなり時間を取っています; わたしが教えようとしたら 一番目は かなり 絡んできて 話しにならないこともあり
    先生にその問題を質問させて お願いすることもあったのですが

    算数の苦手意識がでてきて
    (頑張ってやったつもりでも なかなか点数に繋がらないので)
    どうも スムーズに行きません。


    算数は 親が教えると 子供が甘えるのか 絡んできて 素直に聞きません。(本当は教えてほしいけど
    そのままわたしが解いて行ったら 自分ができないのが悔しくて怒りだします)
    こういう場合はどうしたらいいのでしょうか?

    たぶん 自分に何か 自信みたいなものがあるのだと思うのですが それが 邪魔をしている感じです。
    一番目は 頭で考えるタイプなので 自分なりに理屈が通らないとそこでひっかかるタイプです。
    昨日も 3.4×0.3は なんで かけているのに なんで 小さくなるの?? おかしいよ!と わたしに聞きます。
    わたしもどう説明していいかわからないので 0.3は 大きくなったんじゃないの?
    と言いましたが・・。完全に納得しているようではないんだと思います。

    理科についても 自分の視点でおかしいことにこだわりだすことがあり
    これは 飛ばして あとで 先生にじっくり聞いてみたら・・と言っても
    途中で しばらく そこで立ち止まってしまいます><

    こういうタイプの子はどういう風に誘導してあげたらいいのでしょうか?
    割と いろんな点で いいポイントをついているので ほぉ~と感心することもあるのですが
    スピードがないのと こだわり出したら 屁理屈みたいになって絡んでくるので
    わたしのほうが疲れます;
    何かアドバイスがあれば 
    よろしくお願いします。 

  6. 【2111464】 投稿者: まいめろ  (ID:REknQjnpcvk) 投稿日時:2011年 04月 28日 20:25

    しろくま さま

    お忙しいなか、お返事をいただきありがとうございました。

    不思議ですね。
    ほんの少し、肩の力が抜けました。

    そして、早速、とりあえず直近の模試を親子で見てみました。

    >あ、これができていないね、と、必ず笑顔で。

     そういえば、いつも「また」できてないんじゃない?なんて否定的な言葉をなげかけていたんじゃないかと思います。次はがんばんなきゃ!と恐い顔をして言い放ってたのかもしれないと思いながら、情けなくなりました。親として一番やっちゃいけないことだったですね。ごめんね・・・と心の中で反省しつつ、しろくまさんの言葉を胸に、間違ってるところを二人で話してみました。

     まず、全然わんないのか、そうじゃないのか。全然、わかんないのは、一からやり直すとして、そうじゃないところはどうだったのか、よく聞いてみました。少々気になったことは、〇〇算とわかってたかどうかを本人がしきりに話すことです。つまり、そこに気付いたのに公式がどうのとか、そこに気付かなくて間違えたとか・・・。パターンにあてはめられれば出来るとか出来ないとか。覚えることがたくさんあって、迷っているみたいでした。とにかく、速さ、比、濃度、そしてつるかめ算、課題はたくさんありそうです。

     このGWに、泉ヶ丘の過去問が届くはずなので、一緒に見たいと思います。そして、しろくまさんの確認ポイント①~④を、できる限り見てみようと思います。そこで、お伺いさせてください。

    ③ 交換法則・結合法則・分配法則の確認

    こちらは具体的にどのようにしたらよろしいでしょうか。

    そして、苦手とする部分はたくさんあるのですが、速さ、比、濃度 のまずはしなくてはならない取り組みを教えていただけませんでしょうか。塾の先生は、とにかくよく似た問題をやりまくればいいみたいなことをおっしゃったのですが、娘のやるべき量が少ないのか、定着してくれません。
    まずは、塾のテキスト・・・とは思いますが、効率よく復習できる、確認できる問題集などがあれば、そちらもあわせて教えていただけませんでしょうか。
    初歩的な質問かと思いますが、どうか、よろしくお願いいたします。

    まいめろ

  7. 【2111479】 投稿者: しろくま  (ID:h1SkPGRz8us) 投稿日時:2011年 04月 28日 20:41

    「アンジェ」さま

     子どもの行きたい、という学校、まずは偏差値とか現段階での学力とか、そういったことは抜きにして、しっかりとその思いを受け止めてやる、というところから「上をめざす中学入試」というのが始まります。
     「行きたい学校」が「子どもに適した学校」とは限りませんが、「子どもに適した学校」ということの一つの大切な要素が「行きたい学校」であることは確かです。
     ただ、微妙にいろいろな要素が絡み、「行ってみたらよかった」というのも実際問題として多くある… 親がもっともっとたくさん視点を変えて色々な学校を探しておいてやったら、いらぬ苦労や不安をかけなくてもよかった、という例はたくさんあります。
     並行して、親はいろいろな角度から志望校を探しておいてやってください。

     さて、「どうしても合格したい」と思い始めるとき、というのは、あたりまえですが、いろいろなことがチャレンジできるタイミングです。

    1.学習時間を増やす。
    2.苦手な教科に取り組ませる。
    3.ちがった勉強法を採用できる。

     という3つが可能になります。

     親子のバトルの一つに、子どもが頑なに自分の勉強スタイルを変えない、というのがありますが、「背伸びして高い志望校をめざす」という意識になったタイミングで

     「じゃあ、今までのやりかたではだめだよ」

     と、大きく出られる機会にもなります。

     さて、おっしゃられている「開成の国語」ですが、文学的文章では

     文章レベルは高くない
     問題レベルが高い

     という「文章易・設問難」になっています。

     説明的文章ですと、これが逆転し、

     文章レベルは高い
     問題レベルは高くない

     という「文章難・設問易」になっています。

     むろん、「易」というのは、かんたん、というわけではなく、良質なもので、きわめて素直な問い、ということです。

     お話しのようすですと、説明的文章と文学的文章では、文学的文章のほうに、ちょっと苦手意識があるかのようにお見受けしましたが、そう考えてもよいでしょうか。

     実は、開成をめざしていて、国語が苦手な子が訓練するのによい学校の問題が関西にあります。

     開成の物語や随筆は、わりと読みやすく、子どもも自分に重ね合わせやすい素材です。記述が中心のようにも見えますが、年度によっては記号選択も組み合わせてきます。

     大阪の女子中に四天王寺中学という学校があります。女子校なのに大部分が理系をめざす生徒で、医学部の合格者数は桜蔭とほぼ変わらず(何年かは桜蔭より多数の年もありました)、そういうこともあってか、国語の問題も、兵庫県の女子中とは違い、むしろ関東の男子校の設問によく似ています。(逆に、四天王寺中をめざしている関西の女子の方は、開成の国語は同傾向異学校問題として活用できますよ。ただし、国語が得意な少女向け、ということで。)
     素材として読みやすく、素直な文章が説明文も物語・随筆も選ばれていて、国語が苦手な関東の男子には適した問題演習ができます。解答へのアプローチも、比較的よく似たもので答えを導けます。幸い、昨年、四天王寺中の入試問題分析、というのをこの場で投稿しましたので参考にしてみてください(「外の人」さまのまとめブログで入試問題研究で検索すれば出てくると思います)。
     ただ、これは、おっしゃられている「開成に独特な」問いは該当しません。

     おそらく、開成のその問いは、模範解答を用意されていないパターンだと思うのです。国語の先生が、子どもの答案をみて、出題者の意図したものにちゃんと回答してくれているか、そしてその上で、質の高い回答に正解を与えていく、というものです。
     灘の記述題を指導するときに、よく子どもたちに、

     「できた、わかった」と思ったところから灘の解答作成は始まるんだよ

     と、申しました。灘を受けようか、という子ですから、「わかった」とはなるんですよね。でも、それでは他の子たちの答案と「差」が出ません。よりよい解答、あるいは、もう少し踏み込んだ理解、というのを求めている、と、考えるべきだと思うのです。
     開成の場合も、おそらく、ある水準のものは、多くの子たちが書くと思うのですよね。じっさいは、それが正解となっているかは、わからない…
     塾の先生の「とまどい」の由来も、一つはそんなところにあるかもしれません。

     これは、同類の出題を、一定数(毎日1題でよいから)やりながら、実際に「添削」していく、という方法が有効だと思うのです。
     しろくまが添削してさしあげればよいのですが、なかなかそうもいかず、ここは、どなたか塾の先生と「添削交換ノート」みたいなことはできませんかね。
     ノートに問題を貼付、自分の解答を記し、塾の先生に渡す、それを先生が添削して返却、また次の問題を貼付して… という方法です。
     ただし、これは、おっしゃられている「特殊題」のみで、1文章1設問でやっていく…

     お求めの核心の、そういう問いをどう対策していくか、ということなのですが

    1.「自由」の「自由度」とはどれくらいか
    2.1をふまえた上で、どういうまとめ方をするのがベターなのか
    3.どういう学校の問題を利用すれば訓練できるのか

     ということに集約されますよね。

     1に関しては、実は完全に自由ではありえません。文章を読みとったうえで、筆者の論の、文学的文章では登場人物の気持ちの、枠組みをふまえた範囲内で、ということになります。

     「例→意見」

     というのが、説明的文章の鋳型です。

    A 例→意見(→例)
    B 意見→例(→意見)

     の2つのパターンで、筆者の意見にもとづいて、それに合致する範囲で「あなたの体験や知っている例」をあげなさい、というのがAパターンで、こういう考え方にもとづいて、こういうことがあった、と、本文に書かれていて、それに対して「あなたならどうですか」というのがBパターンになります。

     具体化・抽象化の能力を問うているわけです。Bですと、

     戦争はいけない→こうこうこういう悲惨なできごとがあった

     そういう悲惨な例と同様の例を出して、わたしはこう思う、というように運ぶわけですよね。同じ「いけない」というアプローチで、本文が文化の破壊についての話ならば、それに対して、命をとりあげる、という対比に持ち込む、というような「スライド式」の手法です。

     物語文の場合

     事実・行動⇔心情

     こういうできごとで、こんな気持ちになった

     わたしもそうです or いや、わたしならこうです

     というパターンですよね。

     A → B
       ↑
       C

     わたしもそうです。わたしの場合はこうでした。

     と、登場人物のABの気持ちの「類似」を書けばよいことになりますし

     わたしはちがいます。わたしの場合はこうでした。

     と、Aは登場人物と同様でありながら、Bを違うようにする、ただし、その場合は、なぜちがうのか、どうして違うのかという理由として、Cのとらえ方の相違を述べる、という方法です。

     申しましたように、これらは「ノート交換添削」などを通じて、理解させて鋳型に持ち込んでいく、というのが大切です。

     さて、3なのですが、筑駒のときにも紹介したのですが、奈良にある西大和学園で、この手法を訓練できる設問が用意されています。
     
     「平成21年(3科日程)の大問3」などに代表される問題で、ここではひじょうに短い文章を読ませて、

     筆者の考える「個性」とは何か、を考えさせ、そうして、「あなたはどういう個性を持っていますか」という問いに持ち込んでいます。これなどよい訓練になります。
     同様にこの3科日程の大問3は、そういうパターンの出題となっています。

     文学的文章に関しては、兵庫県に甲南女子中という女子中があります。しろくまの時代は人気のあったおじょうさま学校でしたが、現在はしっかりと進学にも力をいれ、これからが楽しみな、大学進学をめざす兵庫県の女子にとってはよい選択肢の一つに成長してきている学校です。そのため、随所に入試問題に個性があり、学校側からの学習に関するメッセージ性の高い出題が増えてきました。
     そこのB日程の設問が、そういう思考訓練に適しているものになっています。

     トータルな問いは、四天王寺中で、
     特殊題は、西大和学園中や甲南女子中で、

     という訓練は可能です。

     もう少し、同傾向異学校問題を精査して、また、開成の国語対策に役立つものを集めてさしあげますね。ちょっと今回は荒削りで申し訳ありません。

     何か追加質問があればどうぞ。

  8. 【2111728】 投稿者: アンジェ  (ID:2slpZ3uOiIM) 投稿日時:2011年 04月 29日 00:35

    しろくま様
    早速のご回答、ありがとうございました。
    教えていただいた学校の過去問について、取り組みたいと思います。
    また追加のご教示もいただけるとのことで、大変ありがたく思います。
    どうかよろしくお願いいたします。
    もうひとつ、追加質問してもいいですか。

    >お話しのようすですと、説明的文章と文学的文章では、文学的文章のほうに、
    ちょっと苦手意識があるかのようにお見受けしましたが、そう考えてもよいでしょうか。

    先程の質問の中では、物語文と随筆文にしかふれておりませんでしたが
    今の時点ではどちらかというと、実は説明文の方が解きにくいのではないか
    という印象があります。
    論がどう展開しているのか、その骨組みが理解できていないことによる誤りが
    最近よく見受けられるのです。
    たとえば
    「○○○○○です。それは以下のような理由があるからです。
     その理由とは△△△△△・・・」
    という文章で、
    「○○○○○」の部分でどのような考えを示そうとしているのですか?
    という問いがあったとすると
    「○○○○○」を別の言葉で言い換えているような文を選択しなければならないのに
    「△△△△△・・・」の部分を要約しているものを選んでしまうのです。
    「なんでこれを選んだの?」と聞くと
    「ここに書いてあるから」といって
    「△△△△△・・・」を指さしていました。
    また、「要約してみて」と言うと
    物語文の場合はあらすじを書くのに
    説明文の場合は「要旨」しか書きません。
    これも、説明文の骨組みが理解できていないことと関係あるのでしょうか。
    こういう場合、どういった訓練をすれば改善されるのでしょうか。
    良い方法がありましたら、教えていただければ幸いです。

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