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【1928539】しろくまさんにアドバイスを頂きたい人は集まりましょう。パート6

投稿者: 初手天元   (ID:iTQCbYqzDik) 投稿日時:2010年 11月 22日 08:36

しろくまさま

パート5が容量オーバー気味の様子ですので、新スレを立てさせて頂きます。
出しゃばり、どうかお許しください。
いつもお忙しい中、親身で適切なアドバイスを下さるしろくまさまに
心から感謝申し上げますと共に、今後とも
中学受験に悩む保護者達に御助力下さいますよう
よろしくお願い申し上げます。



相談者の方々に

このスレでの御相談に対するしろくまさまのアドバイスは
外部ブログに掲載されます。
不都合をお感じの方は、その旨明記くださいますよう。



イヌイットさま 外の人さま

とても控え目でいらっしゃいますが、しろくまスレをこっそり支える
善意の協力者でいらっしゃると思っております。
いつもありがとうございます。

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  1. 【2116936】 投稿者: しろくま  (ID:E5pROYxzwZk) 投稿日時:2011年 05月 04日 11:07

    「白イルカ」さま

     よく、もう高学年になったのだからそれくらいは子どもにやらせなさい、と言われる局面が受験期になると出てきます。とくに小6になったのだから子どもにやらせるか、という部分も出てくるでしょう。やってしまうと、「甘い親」と評価されてしまう場合もあります。
     ただ、現実問題、その作業を通じて子どもに力がつくものもありますが、こちらが仕込んで、本人がやっていくだけ、ということにより時間の短縮や能率化が図られる場合もあります。

     小テストのコピーと切り張り、模試のできなかった問題の整理…

     これらは子どもがやりながら、あ、おれってここができていないんだな、と、認識できる場合もあります。

     ただ、もう小6になると、その作業の時間が無駄な場合もありますし、子どもによっては、「作業満足」で終わってしまう場合があります。
     整理して始まりなのに、整理したら「できた」気になる、という場合ですよね。

     こちらでパッパとやってしまって、ハイ、これしなさい、も、仕方がない局面も出てきます。とくに手が遅い、のろのろ型の子は、もう親がザッとやってしまっていく、というほうがうまくいきます。

     いましたよ~ お風呂から服の着替えから、ぜーんぶお母さんに小学生のうち、ぜーんぶやってもらっていた子が。
     でもね、その子、もう今は立派な弁護士さんで事務所を3つも経営しています。大学生のときは下宿で自炊で掃除洗濯がことのほかうまくて、趣味は料理を作ること、に、なっていましたから、甘やかしたからできなくなる、というものでもありません。

     お話をうかがうかぎり、少し、微細に国語の読解に向かいすぎになられているかもしれませんね。

     ざっくり文章を2つ用意する。それぞれ1問題(物語文なら心情説明題のみ、記述がよいかもしれません。)

     1つ目は親音読-子黙読で、念入りに、で、「これ解いてごらん、2つ目は、じゃあ自分でやってみる? 模範解答からの逆流法でやってもよいし、自分で最初は考えてみる?」というように、ぽーんと子どもの判断にまかせて、「はい、それでおしまい、じゃあ算数しようか!」

     と、本人が算数したい、という前に、こちらから言うてやるんです。

     こちらが子どもの言おうとしていることを先に言うてやる、というのがお勉強に弾みをつけて集中力が出るコツです。

     また、あらかじめ決めた範囲を仕上げられなくても国語はOKです。どれだけしっかり読み、考えられたか、で、その結果早く終わっても、たくさんできても、本人の調子にあわせてやってください。
     好きな算数は、ちょっと多めで、ここまでやるのよっ という「圧力」があってもいっこうによいのです。

     何か追加質問があればどうぞ。

     

  2. 【2117133】 投稿者: 白イルカ  (ID:0n1YZs1KRek) 投稿日時:2011年 05月 04日 14:54

    しろくま様
    いつも、お優しいアドバイスを頂きまして有難うございます。
    手をかけすぎではないか、と悩んでおりましたが、弁護士さんのお話を伺い、納得致しました。
    整理したり、ファイルを作ったりすると満足してしまう『作業満足』もよくありますね…
    そうですよね、そういう作業を自分でするのは、時間が出来た時に、本人が困らない程度にやれれば良い訳ですよね。
    有難うございます。胸のつかえが取れました。もう迷わず、私が進める事にします。

    読解も、頭を悩ませております…
    宿題が多く、時間が取れなくなっている為、なかなか他の文章を使っての読解をさせられないのも辛い所で、塾の宿題の文章(平日1題+週末1題)を見直ししているのですが、授業で初見で解いた物を見ると、中身が読めていなかったり、音読をさせると、かなりつっかえるので、語句の意味を聞いてみると、分からない状態です。
    分からないまま解いたんだから、内容は分かってないよね、と言って、分からなかった言葉を、私が調べて意味だけノートに書かせようとすると、グッタリしてます。小6としての自覚は、国語では機能しない様です…
    語句が分からないのでは、入試で大変だよ、と漢字の学習の際も、口を酸っぱくして言ってたのですが、意味が、なかなか覚えられなかったので(しろくま様を見習って、面白い例えもしていましたが)やはり、語彙不足が読解にも影響しているものと考えられます。
    今からでも、何とか語彙を少しでも増やしてあげたい、また、語彙が足りないなら、せめて読み解ける様に、テクニックをつけてやろう、と思い、教えようとしているのですが、なかなかうまく行かず……悩んでおります。

    2つある文章の内の、どちらかだけを、親音読ー子黙読で、丁寧に親中心で読み、内容を説明、で1問だけ解く(物語なら心情説明題の記述ですね)
    もう1つは、本人がやるでもヨシとして、模範解答からどうしてそこが答えか考える、という事ですかね?
    論説文や随筆文の時は、どういう設問を解かせると効果的ですか?

  3. 【2117738】 投稿者: しろくま  (ID:YdOHyTpXkbU) 投稿日時:2011年 05月 05日 07:53

    「白イルカ」さま

     語句の学習に関しては以下のことをふまえておいてほしいところです。

     志望校の形式にあわせる、ということ。つまり

     独立型 or 文中型

     ということをふまえて、

     ふだんの読解の学習を通じてまとめていく or 漢字の書き取り、語句系の問題集を通じてまとめていく

     独立型は、大問として語句系の問いがあるか、漢字の書き取りが大問として別に用意されているか、ということです。
     文中型は、言うまでもなく、文章題に下線部などが引かれて漢字の書き取りがある、あるいは文中で使われていることわざ・慣用句などに関連する出題がある、ということです。

     いっぱんに、入試の本番で、独立型は受験生にはわりと取り組みやすい形式です。なんせ問いが別にされていますから、問題に取り組む意識も、また、どの問題から解いていくか、という「レイアウト」もしやすい…
     関西では、灘中などは、二日間入試あるのですが、第1日目は、説明的文章と語句独立題が用意されていて、たいへん問題に「意識的に」向かいやすいものになっています。
     東大寺や六甲は、大問に独立させて漢字の書き取りを出題しています。関東でも独立型と文中型は、過去問をみればすぐにわかります。
     独立型の場合は、出題者側がレイアウトしてくれているので、ある意味、受験者は問題に集中しやすい場合が多いのです。
     しかし、文中型になりますと、受験者の側で、「先に書き取りをしよう」「さきに語句系の出題をやっていこう」とレイアウトしていかなくてはなりません。
     子どもは、「あれだけ言ったのに!」と模試などでも保護者がイラっとくる場合もあるのですが、「前から順番に」「ひとつの問題に長く考え込んで時間が足りなかった」などなど言います…
     関西では、洛南が、文中型でガッツリ語句を出すものですから、意識したレイアウトがその場でテキパキできないと、思考が中断されて文章の「読み」に集中できず、ということに陥ります(とくに女子などは国語が得意でも、時間に追われる、レイアウトに失敗する、記号選択の判断に集中しにくい、となって、ふだんの力を出せないという場合もありそうです)。

     形式に合わせる、と、すると、独立型の場合は、「独立した学習」で対応します。つまり、漢字の書き取りの問題集、ことわざ・慣用句などの問題集などて解いていく…
     独立型の語句学習をしていれば文中型にも対応できるだろっ と、思われる方もおられるでしょうが、ちょっと実戦的ではありません。
     たしかにそうですが… 独立型の場合は、出題者が「例文」を用意できますから、問いたい漢字(読みにくい、むずかしい漢字)などを出題できます。文中型だと、文章の中から問いたい漢字を「探して」出題することになります。
     この差異は、わりと問われている漢字の性質に反映されるんですよね…

     昔、過去10年、123校の漢字の書き取りを調べたことがあるのですが、「出納」という読み、書き取りが出されたのが1校もなかった、ということがありました。「出納」と言えば、「出」の読み方が難しいよっ と、参考書や塾では定番なのですが、たとえばこれ、文中型で出題するにはかなり難しいですよね? 子どもの読み物で、「出納」を使うような文章が果たしてどれだけあるのか… 独立型なら例文を用意できますから可能になります。

     文中型の場合は、過去問やその他の学校の過去問で出された書き取りを一文を抜き出して蓄積しておいて書き取りしていく、ということが、少々手間がかかりますが、おすすめします。30例も集めればお気づきになると思いますが、それほど難しいものはなく、基本的な読み書き、訓読み型の書き取りなどの占める割合が高く、配当学年も「小5」の率が高くなり、独立型に比べて「小1~小4」までの出題率がぐっと上がります。
     物語の中の書き取りはいっそう顕著で「ふだんよく使う漢字で」「子どもがド忘れしやすいもの」を出題者がうま~くチョイスしているのがわかります。

     漢字だけ、語句だけ、の意味をおぼえさせようとすると、子どもはその単調さに飽きがきます。あくまでも「例文」中心に、具体例をふまえて学習させてやってください。

     おっしゃるように、もう1つは模範解答からの逆流法でも可ということです。
     また、論説文の場合は、ふつうなら「理由説明題」を解くことをおすすめしますが、最初は

     「本文の内容に合っているものを2つ記号で選びなさい」

     というような出題が時々みられますよね。「2つ」でなくても「1つ」のものでもよいですのでそれをやらせましょうか。
     ざっくり本文を読んで、何が書かれているか、の、確認です。
     ただ、設問は念入りに考えさせてもよいですよ。

     「本文に合っているものを」という問いの場合、残りの選択肢は、「合っていない」ものになります。これを用いないのはもったいないですよね。「どうしてこれ、合っていないかわかる? どこを読めばこれがおかしいかわかる?」と、絡んでいってほしいところです。

     随筆の場合は「例→意見」の説明的文章とは異なり、「例→感想」という構造になります。意見も感想も同じだろっ と、なりそうですが、

     「例から導く意見」は、筆者の主観でとらえたものを客観的資料をそろえて説明していく、という場合がほとんどです。
     とらえ方は「主観的」ですよね。「おれはこう考えた」、でも、それを客観的な事実で固めていく、というパターンです。

     随筆は、客観的なものを主観的に見つめていく、という場合が多いですよね。素材は、だれもが見ていて知っているもの。ふだんみんながそう思っていることなどを、「みんなそうでしょうけど私はね…」みたいな「つぶやき」である場合が多い。

     こういう文章の設問は、「文中の筆者の独特の表現」を通じて、「他人とは違う」筆者の視点、感想を、「出題者」が受験生に「教える」ような、「きみ、気が付いた? 筆者はこういうことを言いたいんだよ」というような出題をします。
     そこで、

     筆者が○○と感じたのはなぜですか?
     筆者がここで××××という表現を用いているのはなぜですか?

     「表現を通じた内容」に関する問いにしぼってやらせていく(たいていは最後の問題)、というのがよいと思います。

     何か追加質問があればどうぞ。
     

  4. 【2118180】 投稿者: しろくま  (ID:liTVm78.zT6) 投稿日時:2011年 05月 05日 16:38

    ~関東中学入試国語序説~(4) 麻布編 ④

     あらためて、麻布でとりあげられている文章をながめてみますと…

    1.長文で
    2.「私」型の主人公で
    3.A → B A:最初の気持ち B:後の気持ち C:気持ちを変化させたもの
        ↑
        C

    4.A=B(対象類似・対象への共鳴)

     という構造のものになっているものがほとんどです。

     厳密に言いますと、ある意味、「私」型の物語文、というのは、随筆とたいへん似ているわけです。めっちゃ乱暴なことを申しますと、

     ノンフィクションの私型主人公の物語=随筆
     フィクションの筆者の随想=物語

     と、いえなくもありません。随筆でも説明的随筆というのがあり、これなどは、上述の3・4の形式をかなりふまえていることに気が付くはずです。

     最初私はこう考えていた、しかし、ある事象・ある経験を通じてこう思った
     ふだん私がこう考えていたと同じ体験をした
     ある事象をみて、ふだん私が考えていることに共鳴、ナットクできた

     という点の「読み取り」というのは、「私型」物語と何ら違いません。

     とくに A → B
           ↑
           C

     の、理解は、説明的文章、随筆でも大切なポイントになります。ただ、子どもが、そういう文章を選抜するのはむりですから、ある程度、大人が選んでやる必要があります。

     関西に六甲中というところがあります。以前に開成の「同傾向異学校問題」の1つの例としてあげました。六甲中にかぎらず、関西の私立中では、「説明文+物語文+随筆」という3文章そろい踏みの出題をする学校が多くみられます。六甲も毎年ではありませんが比較的よく出題している学校です。

    平成21年 B日程 大問2
    平成20年 A日程 大問3
    平成20年 B日程 大問2
    平成19年 A日程 大問2
    平成19年 B日程 大問1
    平成18年 A日程 大問2
    平成18年 A日程 大問1
    平成17年 A日程 大問2
    平成17年 B日程 大問2

     これらをざっと読んでいただければ、ああ、なんとなく、どういう文章かというのはわかる… と、思ってくださればよいのですが…

     問題集などでも、これらの文章は説明文か随筆に分類されているものです。

     3の構造や、4の構造をおさえて読む、というのが「随筆」にも共通するところで、説明的文章でも、筆者の体験や経験に基づいたもの(体験や事象が具体的に説明されているもの。また会話文。)を例として意見・感想を導いているものは、私型の物語文を読み込む力を涵養してくれます。
     むしろ、最初にこういう文章に慣れておく(文章も短く小5あたりには最適)ことは、ちょっと変化球ですが十分「麻布」対策になります。

     それから、すでにしろくま読解の解説をよく読んでくださっている方は気が付いておられますが

     文末「~のだ」=理由や心情の解き明かし

     というのは、物語文(私型あるいは客観型の会話文の文末)でも説明文(筆者の主張・とくに気持ちが込められている部分)では同じことです。
     説明文でも文末「~のだ」の多用のものの問題演習は、じゅうぶん「私型」の物語文の理由・心情説明題の解法にも通じているので、「麻布には役立たない訓練だ」とは思わないでほしいポイントです。

     核心をつく+周辺を固める

     というのが入試の成功のためのアプローチです。

     物語文の中でも、心情説明と理由説明をしっかりおさえる、というのは核心ですよね。説明文や随筆でも上記を意識した学習をすれば、じゅうぶん核心をついたものになりえます。

     また、麻布の物語文の設問では「周辺を固める」というのも大切な追い上げ学習のポイントになります。

     「追跡」と「表現」に関するもの

     追跡、とは、その物語をしっかり流れをふまえて「そもそも読んでいるのか」というチェックに関する問い
     表現、とは、その物語で効果的に活用されている、あるいは場面で重要な意味をあたえている表現が理解できているか、という問い

     平成22年の場合ですと、問二と問四のような設問です。

    平成21年 問二(表現) 問四(追跡) 問五(表現)
    平成20年 問三(追跡) 問六(1)(追跡)(2)(表現) 問九(表現) 問十二(表現)

     などなど… これらは、むしろ、説明的な随筆でもよく出てくる出題です。ある筆者の表現部分に下線が引かれて、それはどのような意味か、どういう筆者の考えがこめられているかなどなど…
     表現に関する問いなどは、十分、説明的随筆によって訓練が可能なポイントで、これは「周辺を固める」ということの一助になります。

     むろん、第一義としては過去問を通じて、模範解答からの逆流法で、「まとめ方」「読み方」を学習していくことが大切になりますが、それは塾の志望校別対策でたっぷりとやってくださると思います。それが「核心」だとするならば、しろくまが提案する「周辺をかためる」ことは異学校同傾向問題でそれらを習得していく、ということ…

     「京都の洛星中+六甲のような関西の私立中の随筆文」で「核心」と「周辺」を押さえていく、という作戦もアリだと考えています。
     次回は、「筑駒」に関してお話しを進めていきたいと思います。(次回に続く) 

  5. 【2119018】 投稿者: 近・中・標に質問  (ID:dFjn2ALv0Tw) 投稿日時:2011年 05月 06日 13:20

    連休前に「のではない」の件で質問した者です。

    早々のアドバイス、ありがとうございました。

    一見、訳が分からなさそうな文章でも、ところどころにちりばめられた布石を逃さずひろっていけば、できないことはないと思うのです。

    でも、それらを探すのが本当に困難で、しろくまさんのアドバイスに出会えて、本当にうれしかったです。

    目指している国立附属中学の国語は、本当に文章が長くて、我が子は読まずに見ただけでゲンナリするのでまださせていませんが(笑)、かわりに、

    連休中に近・中・標を2問ほど一緒に解いているとき、途中から「ん?あれ?ホントだ・・・線を引っ張っていったところが、答えを見つけるときに役に立ってる・・・不思議。。。」とつぶやいていました。

    少しずつでもウロコがぽろぽろとれていくことを楽しみにしています。

    最終的には、志望校の過去問が、しろくま式読解法でとけるようになりたいと思っています。

    ありがとうございました。

  6. 【2119138】 投稿者: 白イルカ  (ID:0n1YZs1KRek) 投稿日時:2011年 05月 06日 15:23

    しろくま様
    丁寧なお返事を頂きまして、ありがとうございます。
    志望校は、漢字は独立型で、語句(ことわざ等)は文中型ですが、別に大問の語句問題もあり、凝った問題が出ます。虫食い記号問題で『鼠が出るため“石見銀山”を仕掛ける』等の出題や、選択肢を干支にして答えさせたり。また、物語文で数年毎に明治文学が使われたりと、幼い我が子がどこまで対応出来ますか…9月から、志望校対策が始まるので、それまでは、どこにでも通用する7割の問題をコツコツかな、とは思うのですが…かなり不安です。
    先生方の「過去問はまだやらせないで下さい」という台詞が気になり、語句もあえてさせていないのですが、他校の物や塾で習ったものに混ぜて語句や漢字は、やらせても構わないですかね?

    読解も、非常に納得致しました。内容理解の確認が有効なんですね。
    確かに、しろくま様が幾つか上げられている設問が、最近、マシになりつつある読解の中で、たまに落として来る問題です…息子は「随筆は、お母さん達のおしゃべりみたいで苦手、論説文の方が好き」とよく申しております。言い得て妙です…随筆は、しろくま様の“君気付いた?”というポイントに気付かせる様に、絞り込んで取り組ませてみます。
    しろくま様、演習やテストの際の、文の構成や気持ちの読み取りのタイミングなんですが、通読してその後に、もう一度読み直して構成などをやっているそうなんですが、それで間違っていないでしょうか?
    時間の短縮の為に、そろそろ通読しながら、構成させていく様に練習させた方が良いのでしょうか?
    また、授業で演習、解説等を受けた後に間違い直しで、構成をする際も、今は近・中・標で教えて頂いた通り、通読してから構成や読み取り、という流れでやっていたのですが、こちらもそれで良いのでしょうか?
    質問ばかりで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。

  7. 【2119326】 投稿者: しろくま  (ID:Xuiq4YPWn2k) 投稿日時:2011年 05月 06日 19:13

    「白イルカ」さま

     塾の先生の

     「過去問はまだやらせないで下さい」

     というトークに関しては、もうだいぶ以前に少しお話ししたのですが、新しいご訪問者もおられることでしょうし、いまいちど確認させていただきますね。

     過去問はまだやらせないでください。(      )

     という、「後に続く話」の部分が重要なんです。

    A 志望校別特訓で塾でやっていきますから。(過去問被りをさける。先入見なしに過去問に向き合わせたい)
    B 今やっても解けないものもありますから。(まだこれから先でやることがあるので今やってできないと自信をなくす)

     ということのいずれか、あるいはその両方、ということです。

     Aに関しては、たいへん重要で、自分で過去問をやってしまうと、志望校別の取り組みのときにもうすでにやってしまっているものに向き合うことになりますので、力の涵養、ということに関してロスが生じます。これは具体的にすぐイメージできるところですよね。
     ところが塾によって、いろいろな方針があります。

     過去問は、二度と出ない問題です。ですから志望校別特訓では、過去問をふまえた「類題」「予想問題」をします。

     という塾もあります。むろん、「過去問演習+類題・予想問題」の複合もアリ。

     Aのトークの場合は、じゃあ、過去問は塾にまかせて

    1.どこの学校にでも通用する7割の部分で抜けているところをしっかりとわが家では復習しておこう
    2.「同傾向異学校」問題をわが家ではしていこう

     というプランになります。

     要注意は、Bのトークの場合で、さらにその後に

     今やっても解けないものもありますから、過去問演習は「まだ」しないでください。

     え? ということは、過去問は、自分でやっておいてね、ということ?? 

     という場合もあるんですよ。でも、文脈としておかしいところはなでいよね。まだ、過去問はしないでください。今やっても解けません。もう少ししてからやってください、ということになります。
     Bのトークでかつ、「過去問は二度と出ない問題です。志望校別特訓では過去問をふまえた類題・予想問題します」ということですと、「過去問は自分でやっておいてください」ということになります。

     ですから、「過去問はまだしないでください」というトークに関しては、しっかり食い下がって、「それはどういう意味なのですか? なぜ、まだしてはだめなのですか?」と再質問してくださいね。

     それからA+Bのトークであっても、「過去問をする」ということと「過去問をみる」というのは別です。

     ぱっとみて、わぁ~ 物語文、長いなぁ~ え、語句に関する問題たくさん出ているなぁ~ おや、こんなにたくさん問題あるのに制限時間40分なの? みたいな「概観」はとうぜんやっておいてもよいのですよ。
     子どもが語句のまとめをするのにぐずったとします。過去問をパラパラとみせて、

     ね? たくさん出ているでしょう? これをしっかりやっておくのは大切なのよ

     という話もできますし、むしろ、そういう話をこれからはどんどんしていかなくてはなりません。

     志望校に合格したいという気持ちを、具体的な問題につなげていく、そのブリッジが、「過去問をみる」ということになります。

     ですから、お子さんのお通いの塾の「今後の方針」についての情報を精査して、「こちら側の思いこみ」を払拭していってくださいね。

     志望校別特訓だから過去問するのは当然だろう

     というのは、必ずしもそうではない、という場合もあるんです。

     「過去問を解く力はふだんの授業でつけていますから、予想問題をどんどんしていきましょう」という方針も、何ら間違えたことではないのですから…
     その場合は、ご家庭で、あるいは自習室などで過去問演習をしていけばよいのです。

     とくに注意していただきたいのは、志望校別の特訓が、1校1講座になっていない場合、です。1つのコースに複数の学校を対象とした志望校別特訓がある塾があります。そういう場合は、できるだけ対象校の過去問を入れようとはしますが、現実問題、かえって対象校の名前が出てしまうと「うちの学校の過去問はやらないのかっ」と苦情を受けるので、1年分くらいを対象校ずらっとならべて「残りはすべてに共通する予想問題です」と括ってしまうケースもあるからです。
     これはもう、自分で特定の学校の過去問演習をやっていかざるをえません。

     前から申しているように、塾は「利用する」ものです。こちらが主体だ、という意識を強くもって、「まかせるべきところはまかせる」「まかせられないところはこっちでやる」と、キッパリと割り切ってください。志望校別特訓の教材をみて、自分の志望校の過去問が「え、これだけしかないの?」となれば、当然やるべき「余白」が見つかったことにもなります。通しで演習する計画を組み入れましょう。

     さて、「通読してその後、もう一度読み直して構成」というのが時間内にできるのならば、それで問題はありません。

     関西でも、神戸女学院や甲陽などは「しっかり読んで解いてね」というスタンスの問題で、時間が足りない、ということは起こりにくい出題です。これに対して洛南や四天王寺(ただし、四天王寺は最近の国語は、じっくり読んでね、というスタイルに変化していますね。他教科はけっこう時間内に解くのが苦労するパターンには変わりありませんが… 今年の問題などは四天王寺の国語は時間が余った子が多数出たような気がします。洛南はおそらく、そう簡単には時間内には処理できず、後まわし、けっきょく手つかず、という子もいたと思います)は時間内の処理を要求します。
     これは志望校の出題スタイルに合わせて対応してやってください。

     お子さんの場合は、まだ、しばらく、じっくり取り組んで考えていく、というところに力点を置いた学習で夏休みくらいまでは引っ張っておかれたらどうでしょうか。塾で志望校別が本格的に始動するタイミングで「時間内処理」のお勉強にシフトしていく、というのをお薦めします。「通読してから」というので「まだ」OK。
     ただ、実際にお子さんにナマに接しているのはお通いの塾の先生です。お母さんのお見立てと、講師の見立ては、けっこう違う場合もあって、緊密に連絡をとりあっていると「ああ、うちの子、塾ではちゃんとできているんだな」「こんなところがあるんだな」と見直せる部分はたくさん出てきます。

     失礼なことを思い切って言わせていただきますと、受験ママは、お子さんの見過ごしてやってほしい誤りにものすごく神経質になる場合がある反面、かんじんの部分で甘く評価してしまうときがあります。
     お母さんがみているところ、塾の先生がみているところ、を、こまめに「つきあわせていく」ということは今後必要になります。

     何か追加質問があればどうぞ。

  8. 【2119380】 投稿者: しろくま  (ID:Xuiq4YPWn2k) 投稿日時:2011年 05月 06日 20:16

    ~関東中学入試国語序説~(5) 筑駒編 ①

     今回は、まずは、概論から入りたいと思います。

     難関校に向き合う塾のスタイル、というのは、さまざまです。どれが正しくどれが誤りであるか、というのは、お子さんのキャラクター次第…
     他人が、いくらAという塾がすばらしい、と言っても、自分の子に合わなければ意味がありません。
     他人が、いくらBという塾がだめだ、と言っても、自分の子に適していたらそれでもよいのです。

     関の東西を問わず、塾というのは、

    A どこの学校にでも通用する7割に力点を置いた塾
    B その学校に特徴的な3割に力点をおいた塾

     というパターンに類別されます。Aが3割を対策しないのではありません。志望校別の特訓、あるいは同じ学校を志望する者を集めて演習していく、という方法で補完していきます。
     Bがどこの学校にでも通用する7割をおろそかにするわけではありません。志望校の学校の演習を通じて、同時に他の学校の問題を解く力も養えていけるはずだ、と、考えた指導をしていくからです。

     どこにでも通用する7割、という部分に関して、受験生が陥りやすいポイントがあります。それは

     どこにでも通用する7割の問題は、簡単な問題である

     という「誤解」です。どこにでも通用する7割の中に、とうぜん、難しいが大切なもの、難関校ならば出してあたりまえのもの、というのが応分に存在するからです。
     ですから、Aの塾の人も当然、自信満々に、これらをきっちりやっていたら、当然、その難関校の問題だって解けますよ、というトークをされます。
     同時にまた

     基本の問題は簡単な問題である

     というのも「誤解」です。難しい、理解しにくい「基本」の問題はありますよ。基本とは簡単な問題という意味ではなく、入試に必要な問題で、できないと困る、というものもあるんです。それを外すと失点が大きいですよ、できない、苦手だ、と言うていられないですよ、というところはたくさんあります。

     その学校に特徴的な3割、という部分に関して、受験生が陥りやすいポイントがあります。

     別の方へのレスでも申しましたが、過去問というのは、ある意味、二度と出ない問題です。国語など、まったく同じ文章がその学校で出題される場合は皆無です(同じ筆者の違う作品、同じ作品の違う部位、ということはあります)。
     過去問をたくさん解いた、その学校の傾向の問題をたくさん解いた、といって、自分が受ける年の問題への対策が完了している、というのは当然まちがいです。
     過去問「を」解く、のではなく、過去問「で」力をつけていく、という意識がないと失敗します。

     また、その「特徴」が、傾向である、という場合もありますが、特徴そのものが「難問」である、という場合があります。灘の算数に特徴的なことで、

     どこにでも通用する7割の難問と灘で特徴的な3割の難問

     という「難問一色」の学校だって厳然と存在しているのです。

     しろくまが取り扱おうとしているのは「国語」です。

     筑駒の国語は、難問なのでしょうか… 形式としては「説明文+物語文+韻文」です。時間制限は40分。国語の問題としては時間制限の短い学校とは言えますが、選択されている文章は短いといえます。けっして長くはない。
     韻文、まぁ詩の出題なのですが、小問の設問数は関西のように多くはありません。結果として、詩を観賞しつつ、問題に取り組んでも詩に関して考えるべき時間は確保される…

     読んで考えて答えてね

     という実にスタンダードな国語の問題です。

     説明文にいたっては、虚飾がいっさいない、必要な問いのみを純粋に提供してきます。

    ~平成21年の場合~

    問1 比較説明
    問2・問3 表現説明
    問4 理由説明
    問5 筆者の考えたに即したあなたの考え

     美しいですよね。

    問1 「観光旅行に行くことと旅に出ることは違います」とありますが、どう違うのですか? 「灘中」なども、こういう比較論はよく出題されますが、説明文によくある「比較」によって、筆者の意見を際立たせる、という手法です。それをちゃんと読みとれているかどうか…

     「比較」はすなわち「要約力」です。ふだんから、短い説明文を「要約」している、という国語の学習としては、昔からあるスタンダードな訓練をきっちりしているかどうか、が問われますよね。

    問2 「子どもたちは究極の旅人であり冒険者だ」とありますが、なぜ「究極の」という表現をしているのですか。
    問3 「世界の声は消え、光の洪水は無職透明の空気みたいになって」とありますが、どういうことですか。

     「表現」に関する出題で、こちらは関西では「甲陽中」が得意とする問いです。

     その表現で筆者が読者に伝えたいことは何ですか?

     ということです。特別な表現には、特別な筆者の気持ちが込められているんですよね。「より伝えたいこと」がある。特別な表現をしてまで伝えたいことがあるのだ、きみらはそれがわかっているか? という問いです。

    問4 筆者がある結論を述べます。とうぜんそれは意見です。そういう結論にどうしていたったか… 全体を読めていないとそれは当然わかりません。

    問5 筆者の述べる「旅」の概念をハズした体験を書くことはここではできません。自分の経験でありながら、ちゃんと筆者の述べている「旅」の意味がわかっていて自分の経験の中からチョイスできているのか? が、問われるわけです。

     これらの問いは、いずれも「基本問題」ですよ。

     断言してもよいですが、国語が得意な子は、確実に点数がとれますが、苦手な子は、がっつりと点数を落とすでしょう。たぶん設問によっては白紙になる子もいるはずです。
     学校の意図はどうであれ、募集人員が120ほどで、いわゆる各塾の「よくできる子」が受ける以上、

     「勉強する子もほしいが、勉強できる子がほしい」学校

     に、ならざるをえません。

     筑駒レベルになると、おそらく、「よくできる子」の中での競争になることは明白… 社会や理科などもある程度入試までには弱点を補った上で受験してくるでしょう。
     最後に手が回らなかった国語で差がつく、という現象もあっておかしくはありません。

     これ関西でもそうですが、こういう難関校の場合、「けっきょくよくできる子」か合格するんだ、「筑駒対策」というのがあるとすれば「よくできる子が本番で力を出せるような訓練さえしておけばよいのだ」、よって、筑駒対策、なるものは存在しない、という話が出てくる、と、思うてのです。

     でも… と、しろくまは、この国語の問題をみていて思うのですが… これ、「国語ができない子」でも、ちゃんと筑駒の出題にあわせて取り組めば、得点できるよ、いや、むしろ、国語の基本問題である以上、「国語では差がつかないから他の教科に力を回せ」なんていう乱暴な指導はかえって失敗すると思うのです。
     逆に暗記物のほうが「飽和点」は早くきます。あえていうと、こういう少数難関激戦校は、早々にそういう飽和点をつくって、「苦手な国語の学習にじっくり取り組める」スペースをつくってやればよい、と、思うのです。

     あ、しろくまの話は、国語が苦手な子のための、という大前提があることをお忘れなく。あと国語だけなんですっ どーにかならないのでしょうか、という方のお助けをしたいな、と、思っています。
     国語が得意な方は、しろくまなんぞは不要ですからね。これはしろくまのこの場でのコンセプトです。健康な方が飲む薬ではありません。

     詩が苦手なんです 物語がだめなんです 説明文が読めません

     筑駒では、これらそれぞれの主要分野で苦手が際立つでしょう。(きっと国語か好きな子は、かえって筑駒のような国語の問題は、「おれ、相性いいわ」となっている子も多いと思うのです。)

     この3つに関して、ちょっと念入りに説明していこうかと思います。
    (次回に続く)

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